長野県佐久地方住民の皮膚癌検診 紫外線の増加が人の健康に及ぼす影響についての研究
近年, フロンガスによるオゾン層の破壊によって, 有害紫外線が増加し, 皮膚癌および有棘細胞癌の前駆症が増加するものと危惧されている。そこで、長野県佐久地方で, 40歳以上の住民を対象に皮膚癌検診を実施した。 第1次検診は, 平成5・6・7年度に実施し, 男2,658人, 女4,870人, 合計7,528人 (全人口の7.4%) が受診した。このうちの67人が病理組織学的検査を受けた。その結果, 悪性腫瘍では, 悪性黒色腫1例, 基底細胞腫3例, 有棘細胞癌の前駆症ではボーエン病1例, 日光角化症44例が確認された。 第2次検診は, 平成8年度に第1次検診の有所見者229人を対象に実施し, 9...
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Published in | 日本農村医学会雑誌 Vol. 47; no. 1; pp. 42 - 50 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
30.05.1998
日本農村医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0468-2513 1349-7421 |
DOI | 10.2185/jjrm.47.42 |
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Summary: | 近年, フロンガスによるオゾン層の破壊によって, 有害紫外線が増加し, 皮膚癌および有棘細胞癌の前駆症が増加するものと危惧されている。そこで、長野県佐久地方で, 40歳以上の住民を対象に皮膚癌検診を実施した。 第1次検診は, 平成5・6・7年度に実施し, 男2,658人, 女4,870人, 合計7,528人 (全人口の7.4%) が受診した。このうちの67人が病理組織学的検査を受けた。その結果, 悪性腫瘍では, 悪性黒色腫1例, 基底細胞腫3例, 有棘細胞癌の前駆症ではボーエン病1例, 日光角化症44例が確認された。 第2次検診は, 平成8年度に第1次検診の有所見者229人を対象に実施し, 93人 (40.6%) が受診した。要生検5人, 要治療11人, 皮膚科専門医を受診すべき者10人, 今後とも経過観察すべき者24人を確認した。 今後とも長期計画のもとに, 皮膚癌検診を行っていけば, 住民の関心を高め皮膚癌の早期発見・治療・予防に役立つものと考えられた。 |
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ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.47.42 |