レビー小体型認知症の高齢者が語る生活上の困難な体験と思い

本研究の目的は,DLBの高齢者が体験している病気や症状,苦悩,対応などを明らかにすることである。DLBと診断された8名の高齢者を対象に半構造化インタビューを行い,質的記述的手法に基づき分析を行った。その結果は,【会話力の喪失】【パーキンソニズムによる防ぎようのない転倒】【日常に入り込む幻視がもたらす多様性】という3つの困難と【自分の変化への試行錯誤】【自覚があるがゆえの悲嘆】【自覚に基づく困難への適応】と困難を体験するなかでのDLBの高齢者の思いに関する3つのカテゴリーが生成された。とくに,DLBの高齢者は生活のなかで会話や歩行に関する困難を体験し,その困難は“突然に起こる”という特徴があった...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 37; no. 5; pp. 5_23 - 5_33
Main Authors 高山, 成子, 加藤, 泰子, 沼本, 教子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.12.2014
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20140722003

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Summary:本研究の目的は,DLBの高齢者が体験している病気や症状,苦悩,対応などを明らかにすることである。DLBと診断された8名の高齢者を対象に半構造化インタビューを行い,質的記述的手法に基づき分析を行った。その結果は,【会話力の喪失】【パーキンソニズムによる防ぎようのない転倒】【日常に入り込む幻視がもたらす多様性】という3つの困難と【自分の変化への試行錯誤】【自覚があるがゆえの悲嘆】【自覚に基づく困難への適応】と困難を体験するなかでのDLBの高齢者の思いに関する3つのカテゴリーが生成された。とくに,DLBの高齢者は生活のなかで会話や歩行に関する困難を体験し,その困難は“突然に起こる”という特徴があったこと,繰り返し出現する幻視は,DLBの高齢者によい影響と悪い影響を与えるなどさまざまな影響を与えていたこと,DLBの高齢者はDLBによる変化を自覚し記憶しているがゆえに,苦しみながらも受け入れてゆく心理が明らかになった。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20140722003