「待機手術患者用心配事アセスメントツール」の開発と信頼性・妥当性の検討

目的:本研究は,全身麻酔で手術を受ける患者に対して「待機手術患者用心配事アセスメントツール(ESWAT)」の開発と,信頼性と妥当性の検討を目的とする。  方法:ESWATの質問項目は,待機手術患者への質的研究と外科系看護師への質問紙調査の結果,および手術に対する不安・心配に関する文献レビューにより抽出した。そして,内容妥当性が確認された36項目で構成される「ESWAT試作版」を用いて,質問紙調査を実施した。対象者は研究の同意を得た192名であった。  結果:探索的因子分析と確証的因子分析の結果,ESWATは『手術に対する心配』を高次因子とした20項目5因子の2次因子構造モデルで妥当な適合度が確...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 36; no. 5; pp. 5_1 - 5_12
Main Authors 竹下, 裕子, 小笠, 美春, 當目, 雅代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.12.2013
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20130910001

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Summary:目的:本研究は,全身麻酔で手術を受ける患者に対して「待機手術患者用心配事アセスメントツール(ESWAT)」の開発と,信頼性と妥当性の検討を目的とする。  方法:ESWATの質問項目は,待機手術患者への質的研究と外科系看護師への質問紙調査の結果,および手術に対する不安・心配に関する文献レビューにより抽出した。そして,内容妥当性が確認された36項目で構成される「ESWAT試作版」を用いて,質問紙調査を実施した。対象者は研究の同意を得た192名であった。  結果:探索的因子分析と確証的因子分析の結果,ESWATは『手術に対する心配』を高次因子とした20項目5因子の2次因子構造モデルで妥当な適合度が確認された。また,ESWATのCronbach’s α係数は .967で内的一貫性が確認された。さらに,ESWATの基準関連妥当性はHADSとSF-8とで検討し,HADS不安得点で有意な相関が確認された。  結論:ESWATは信頼性と妥当性が確認され,待機手術患者の準備教育へのニーズアセスメントおよび看護介入の評価尺度として活用できる。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20130910001