歯髄刺激に伴う三叉神経脊髄路核尾側亜核でのsubstance P放出,誘発電位変動に対する鍼刺激の影響
三叉神経脊髄路核尾側亜核浅層領域(SpVc-I, II)は歯痛伝導路の第一次中継核を含み痛みの伝達, 制御に関与する重要な部位と考えられている1). 本部位での痛覚情報の有力な伝達物質の一つとしてsubstance P(SP)があげられている3). 本研究では, 鍼鎮痛の作用機序を解明する一端として, 比較的純粋な痛みを発現する歯髄刺激を用い, 刺激に伴うSpVc-I, IIでのSP遊離および誘発電位に対する鍼刺激の効果について検討した. 方法 体重2.5~3.0kgの雄性家兎を用いurethan麻酔下, 下顎切歯歯髄に双極性電極を装着し脳定位固定装置に固定した. SpVc-I, IIを灌流す...
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Published in | PAIN RESEARCH Vol. 6; no. 2; pp. 117 - 120 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本疼痛学会
31.07.1991
日本疼痛学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0915-8588 2187-4697 |
DOI | 10.11154/pain.6.117 |
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Summary: | 三叉神経脊髄路核尾側亜核浅層領域(SpVc-I, II)は歯痛伝導路の第一次中継核を含み痛みの伝達, 制御に関与する重要な部位と考えられている1). 本部位での痛覚情報の有力な伝達物質の一つとしてsubstance P(SP)があげられている3). 本研究では, 鍼鎮痛の作用機序を解明する一端として, 比較的純粋な痛みを発現する歯髄刺激を用い, 刺激に伴うSpVc-I, IIでのSP遊離および誘発電位に対する鍼刺激の効果について検討した. 方法 体重2.5~3.0kgの雄性家兎を用いurethan麻酔下, 下顎切歯歯髄に双極性電極を装着し脳定位固定装置に固定した. SpVc-I, IIを灌流するため, obexより尾側1.5mm, 歯髄刺激電極装着歯と同側に正中より2mm, 深さ1mmの位置にpush-pull cannulaを挿入し人工脳脊髄液で灌流した. 試料中のSP量はラジオイムノアッセイにより測定した. 歯髄刺激は40V矩形波を用いて20分間行った. |
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ISSN: | 0915-8588 2187-4697 |
DOI: | 10.11154/pain.6.117 |