1.閉塞性頸動脈疾患の最新画像診断

検査技術の発達ともに, 頸部頸動脈の画像診断法には多彩な選択肢が可能となった. ここでは, 各検査法の概要を紹介し, 適応について検討する. (1)超音波検査 簡便, 無侵襲であることから, 頚部頸動脈のスクリーニング検査として行われるのみならず, プラークの性状評価, ドップラーの併用による血流速度の評価も可能で, 病態評価に欠くことのできない検査法となっているが, 詳細については本シンポジウムの別稿に譲る. (2)MR angiography(MRA)現状では, 造影剤によるT1短縮効果を利用するMRAが最も標準的な検査法である. 造影剤を静注し, 適当なタイミングでT1強調画像を3D高速...

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Bibliographic Details
Published in脳卒中 Vol. 25; no. 4; pp. 382 - 385
Main Author 百島, 祐貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2003
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.25.382

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Summary:検査技術の発達ともに, 頸部頸動脈の画像診断法には多彩な選択肢が可能となった. ここでは, 各検査法の概要を紹介し, 適応について検討する. (1)超音波検査 簡便, 無侵襲であることから, 頚部頸動脈のスクリーニング検査として行われるのみならず, プラークの性状評価, ドップラーの併用による血流速度の評価も可能で, 病態評価に欠くことのできない検査法となっているが, 詳細については本シンポジウムの別稿に譲る. (2)MR angiography(MRA)現状では, 造影剤によるT1短縮効果を利用するMRAが最も標準的な検査法である. 造影剤を静注し, 適当なタイミングでT1強調画像を3D高速撮像法で撮影, 画像を再構成する. 前胸部から頭部までを被う専用コイルを使用することにより, 大動脈弓部から脳底動脈輪まで広範囲を撮影することができ, 狭窄性病変のスクリーニングに有用である(図1). 最近では, マルチコイルによるパラレルイメージングが実用化され, 撮像時間が短縮した(10~15秒)ことから, 複数時相の撮影も可能となった1)2).
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.25.382