特別養護老人ホームでの常勤理学療法士によるリハビリテーションの効果 QOLへの影響について

[目的]本研究では,理学療法士が特別養護老人ホームの機能訓練指導員として介入することが,対象高齢者のQOL向上につながるかを検討した。また,主観的健康感を示すVASと,既存のQOL評価法であるSF-36との相関を求め,VASがQOL評価として使用できる可能性について検討した。[対象と方法]特別養護老人ホーム入居者95名のうち,本研究への同意が得られ,質問紙への回答が可能であった20名を対象とした。評価として3ヶ月ごとに6回,計15ヶ月にわたりSF-36,VAS,PGC,およびFIMを実施した。前半6ヶ月を「常勤あり」,後半6ヶ月を「常勤」期間とし,比較した。[結果]SF-36 下位項目のいくつ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in理学療法科学 Vol. 24; no. 2; pp. 173 - 178
Main Authors 丸山, 仁司, 細井, 俊希
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2009
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.24.173

Cover

More Information
Summary:[目的]本研究では,理学療法士が特別養護老人ホームの機能訓練指導員として介入することが,対象高齢者のQOL向上につながるかを検討した。また,主観的健康感を示すVASと,既存のQOL評価法であるSF-36との相関を求め,VASがQOL評価として使用できる可能性について検討した。[対象と方法]特別養護老人ホーム入居者95名のうち,本研究への同意が得られ,質問紙への回答が可能であった20名を対象とした。評価として3ヶ月ごとに6回,計15ヶ月にわたりSF-36,VAS,PGC,およびFIMを実施した。前半6ヶ月を「常勤あり」,後半6ヶ月を「常勤」期間とし,比較した。[結果]SF-36 下位項目のいくつかは3ヶ月後に上昇し,その後も得点が保たれた。常勤“あり”は“”に比べVASとPGCで有意に高値を示した。[結語]常勤理学療法士の介入は施設入所者の健康関連QOL,主観的健康感や幸福感の向上に影響を及ぼすと考えられる。VASはSF-36やPGCと有意な相関を示したことから,簡便なQOL評価法になりうる可能性が示唆された。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.24.173