長期入院統合失調症患者の苦悩評価尺度の作成とその信頼性・妥当性の検討

本研究の目的は,長期入院統合失調症患者の苦悩評価尺度を作成し,その信頼性と妥当性を検討することである。統合失調症患者50名を対象として,個人面接による質問紙調査を行った。苦悩評価尺度試作案は,25項目5段階のリッカートスケールとした。その結果,18項目が抽出され,「自尊感情の低下に伴う苦悩」「社会適応能力の低下から生じる将来に対する不安」「家族サポートの欠如」,「精神障害を抱えて生活する苦悩」4下位因子が抽出された。18項目全体のCronbachのα 係数は.82で,4下位因子は.7~.88であり,内的整合性が確認できた。今後は本尺度を活用することで,患者の苦悩の内容に応じた個別支援プログラム...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 34; no. 4; pp. 4_55 - 4_63
Main Authors 岡村, 仁, 藤野, 成美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.09.2011
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20110502006

Cover

More Information
Summary:本研究の目的は,長期入院統合失調症患者の苦悩評価尺度を作成し,その信頼性と妥当性を検討することである。統合失調症患者50名を対象として,個人面接による質問紙調査を行った。苦悩評価尺度試作案は,25項目5段階のリッカートスケールとした。その結果,18項目が抽出され,「自尊感情の低下に伴う苦悩」「社会適応能力の低下から生じる将来に対する不安」「家族サポートの欠如」,「精神障害を抱えて生活する苦悩」4下位因子が抽出された。18項目全体のCronbachのα 係数は.82で,4下位因子は.7~.88であり,内的整合性が確認できた。今後は本尺度を活用することで,患者の苦悩の内容に応じた個別支援プログラムを構築することができ,苦悩緩和ケアに有用であると考える。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20110502006