自然乳化を利用したマイクロ水滴内包物の選択的濃縮法

10~100 μmサイズの有機相中水滴(マイクロ水滴)をマイクロ流体デバイス中で操作し,化学・生化学分析に応用する研究が近年盛んに報告されている.マイクロ水滴は,pLレベルの空間に試料や試薬などを閉じ込めることができるため,単一細胞や単一生体分子などの微少量試料の分析を行うための微小反応場として期待されている.しかし,水滴内包物の定量分析を行う場合,光路長が短く,また内包物量が微量であるため,検出法が限られていた.これに対し著者らは,自然乳化を利用したマイクロ水滴内包物の選択的濃縮法(Spontaneous Emulsification Selective Condensation, SESC...

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Published in分析化学 Vol. 65; no. 2; pp. 57 - 64
Main Authors 福山, 真央, 火原, 彰秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.02.2016
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.65.57

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Summary:10~100 μmサイズの有機相中水滴(マイクロ水滴)をマイクロ流体デバイス中で操作し,化学・生化学分析に応用する研究が近年盛んに報告されている.マイクロ水滴は,pLレベルの空間に試料や試薬などを閉じ込めることができるため,単一細胞や単一生体分子などの微少量試料の分析を行うための微小反応場として期待されている.しかし,水滴内包物の定量分析を行う場合,光路長が短く,また内包物量が微量であるため,検出法が限られていた.これに対し著者らは,自然乳化を利用したマイクロ水滴内包物の選択的濃縮法(Spontaneous Emulsification Selective Condensation, SESC法)を開発してきた.本総合論文では,SESC法の概要と本手法に関係するマイクロ油水界面現象について議論するとともに,生化学分析への応用に向けた取り組みについて紹介する.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.65.57