びまん性大脳白質病変における知的障害について
びまん性大脳白質病変による知的障害について明らかにすることを目的とした.白質病変を有する痴呆7例と非痴呆8例, 同年齢の無症侯性脳梗塞群25例を対象として, (1) 非痴呆群と無症候性脳梗塞群の知的機能, (2) 非痴呆群の知的機能と頭部MRI高信号病変, 脳梁の厚さ, 脳室拡大, 教育年数との関係, (3) 痴呆群と非痴呆群の画像所見の特徴を検討した.結果 : (1) 非痴呆群では無症候性脳梗塞群よりもウイスコンシンカード分類テストの保続性誤答率が有意に高く, (2) 非痴呆群の知的機能には前頭葉白質病変, 視床/内包後脚病変, 脳梁の厚さ, 教育年数が関与し, (3) 痴呆群では非痴呆群に...
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          | Published in | 脳卒中 Vol. 19; no. 4; pp. 271 - 279 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本脳卒中学会
    
        1997
     日本脳卒中学会  | 
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| ISSN | 0912-0726 1883-1923  | 
| DOI | 10.3995/jstroke.19.271 | 
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| Summary: | びまん性大脳白質病変による知的障害について明らかにすることを目的とした.白質病変を有する痴呆7例と非痴呆8例, 同年齢の無症侯性脳梗塞群25例を対象として, (1) 非痴呆群と無症候性脳梗塞群の知的機能, (2) 非痴呆群の知的機能と頭部MRI高信号病変, 脳梁の厚さ, 脳室拡大, 教育年数との関係, (3) 痴呆群と非痴呆群の画像所見の特徴を検討した.結果 : (1) 非痴呆群では無症候性脳梗塞群よりもウイスコンシンカード分類テストの保続性誤答率が有意に高く, (2) 非痴呆群の知的機能には前頭葉白質病変, 視床/内包後脚病変, 脳梁の厚さ, 教育年数が関与し, (3) 痴呆群では非痴呆群に比べて左視床/内包後脚の病変の割合が有意に高率であり, これは唯一の痴呆予測因子であった.以上より, 非痴呆群の知的機能の特徴は前頭葉機能低下であり, 前頭葉白質病変, 脳梁萎縮, 教育年数などが関与し, さらに, 左視床病変の割合が増加すると痴呆が発症する可能性が示唆された. | 
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| ISSN: | 0912-0726 1883-1923  | 
| DOI: | 10.3995/jstroke.19.271 |