脳梗塞超急性期における単純CTと拡散強調MRIの病巣検出能の比較

「1. はじめに」脳梗塞超急性期における単純CTでの早期虚血変化は微細な変化のため, 読影者間の差が大きいとされている1). 一方, 拡散強調MRI(diffusion weighted imaging:DWI)は, 梗塞巣を発症早期より鮮明に描出し, 読影能力の差の影響を受けにくく, 陳旧性病巣を有する例の判別にも有用である, またMRIは, DWIに引き続いてMRAや灌流強調MRI(perfusion weighted imaging:PWI)の撮像が可能で脳血管や灌流異常の情報も得られるという利点を有している. しかし, 実際にはMRIが24時間すぐに施行可能な施設は限られており, ペー...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中 Vol. 28; no. 4; pp. 493 - 498
Main Authors 森脇, 博, 山田, 直明, 成冨, 博章, 岡崎, 周平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2006
日本脳卒中学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.28.493

Cover

More Information
Summary:「1. はじめに」脳梗塞超急性期における単純CTでの早期虚血変化は微細な変化のため, 読影者間の差が大きいとされている1). 一方, 拡散強調MRI(diffusion weighted imaging:DWI)は, 梗塞巣を発症早期より鮮明に描出し, 読影能力の差の影響を受けにくく, 陳旧性病巣を有する例の判別にも有用である, またMRIは, DWIに引き続いてMRAや灌流強調MRI(perfusion weighted imaging:PWI)の撮像が可能で脳血管や灌流異常の情報も得られるという利点を有している. しかし, 実際にはMRIが24時間すぐに施行可能な施設は限られており, ペースメーカーや術後ワイヤーなどMRI施行不可な例も存在する. 今回我々は, 脳梗塞超急性期における, 単純CTでの早期虚血変化(CT-sign)とDWI高信号の病巣検出能の比較を行った. 本稿では, まず自然経過をみるために保存的治療例における単純CTとDWIの比較検討を行い, 次に保存的治療例と血栓溶解療法施行例との対比を行い, これらに文献的考察を加え論じることとする. 「2. 保存的治療例での検討」1)対象 対象は, 1998年1月から2006年1月に当センターに入院した急性期脳梗塞患者連続655例中, 発症時間が明確で, 発症後6時間以内に頭部単純CTとDWIを施行した内頸動脈系の心原性脳塞栓症患者連続76例である. 男性が47例, 年齢は71.0±10.2歳であった.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.28.493