KClとTiCl4からのK2TiCl6の合成反応特性

溶融塩を用いたTiの電解採取や還元製造のための原料塩であるK2TiCl6の合成におけるKClと TiCl4の反応特性を検討した.K2TiCl6の合成反応実験では, 種々の粒径のKCl粒子を用い, 過剰のTiCl4ガスと683Kで接触させた.その結果, 反応速度は反応進行に伴って急速に低下し, 反応は完了前に実質的に停止することが判明した.生成粒子断面のEPMA分析結果から, 反応の停止がK2TiCl6の粒子外殻層形成に起因し, 層厚さが5~6μmに達すると起こることがわかった.さらに, これらの結果が生成物層内のTiCl4ガスの拡散律速を仮定した未反応核モデルにより説明できることを明らかにした...

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Published in化学工学論文集 Vol. 24; no. 4; pp. 558 - 561
Main Authors 熊谷, 剛彦, 近田, 昭一, 石川, 達雄, 千葉, 忠俊, 佐々木, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 化学工学会 1998
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ISSN0386-216X
1349-9203
DOI10.1252/kakoronbunshu.24.558

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Summary:溶融塩を用いたTiの電解採取や還元製造のための原料塩であるK2TiCl6の合成におけるKClと TiCl4の反応特性を検討した.K2TiCl6の合成反応実験では, 種々の粒径のKCl粒子を用い, 過剰のTiCl4ガスと683Kで接触させた.その結果, 反応速度は反応進行に伴って急速に低下し, 反応は完了前に実質的に停止することが判明した.生成粒子断面のEPMA分析結果から, 反応の停止がK2TiCl6の粒子外殻層形成に起因し, 層厚さが5~6μmに達すると起こることがわかった.さらに, これらの結果が生成物層内のTiCl4ガスの拡散律速を仮定した未反応核モデルにより説明できることを明らかにした.
ISSN:0386-216X
1349-9203
DOI:10.1252/kakoronbunshu.24.558