L-アラビノースの生理機能とその食品への応用

L-アラビノースは,天然由来の五炭糖の一つで,とうもろこし,甜菜などの植物の細胞壁のヘミセルロースの構成成分として豊富に存在する。食品中には,遊離の状態で,味噌,醤油やウイスキーなどの発酵食品に少量ではあるが,含まれている。L-アラビノースは,糖質でありながら,小腸においてスクラーゼを阻害することで,砂糖摂取に伴う血糖値の上昇を抑制することが知られている。動物やヒトでの試験において,L-アラビノースを砂糖に対して2-3%添加することで,砂糖摂取後の血糖値上昇を約50%抑制することが報告されている。本稿では,L-アラビノースの生理機能について解説する。また,食品用途への応用として,食物繊維との配...

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Published inオレオサイエンス Vol. 13; no. 9; pp. 429 - 434
Main Author 山元, 英樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本油化学会 2013
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ISSN1345-8949
2187-3461
DOI10.5650/oleoscience.13.429

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Summary:L-アラビノースは,天然由来の五炭糖の一つで,とうもろこし,甜菜などの植物の細胞壁のヘミセルロースの構成成分として豊富に存在する。食品中には,遊離の状態で,味噌,醤油やウイスキーなどの発酵食品に少量ではあるが,含まれている。L-アラビノースは,糖質でありながら,小腸においてスクラーゼを阻害することで,砂糖摂取に伴う血糖値の上昇を抑制することが知られている。動物やヒトでの試験において,L-アラビノースを砂糖に対して2-3%添加することで,砂糖摂取後の血糖値上昇を約50%抑制することが報告されている。本稿では,L-アラビノースの生理機能について解説する。また,食品用途への応用として,食物繊維との配合による相乗効果について紹介する。
ISSN:1345-8949
2187-3461
DOI:10.5650/oleoscience.13.429