3年課程看護専門学校における国際化教育の現状と課題
目 的 日本の医療現場の国際化が加速している中,外国人医療の知識と対応能力を持つ看護師が育つことは重要である。この研究の目的は,看護師養成機関においてどのような言語教育と国際化にむけての教育がなされているかを,大学に比べて教育内容の実態把握が難しい看護専門学校に焦点をあてて実態調査を行い,現状と学校差の有無,課題を明らかにすることである。 方 法 全国の全日制3年課程の看護専門学校のうち閉校予定などを除く487校を調査対象とし,郵送による無記名式質問紙調査を行った。主な評価項目は,英語教育と国際化教育(言語以外)の時間数や内容,方向性,求める講師,どのような国際化対応人材を育成したいか,課...
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          | Published in | 文化看護学会誌 Vol. 13; no. 1; pp. 1_38 - 1_47 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            文化看護学会
    
        31.05.2021
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| Subjects | |
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| ISSN | 1883-8774 2433-4308  | 
| DOI | 10.24658/bunkakango.13.1_1_38 | 
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| Summary: | 目  的 日本の医療現場の国際化が加速している中,外国人医療の知識と対応能力を持つ看護師が育つことは重要である。この研究の目的は,看護師養成機関においてどのような言語教育と国際化にむけての教育がなされているかを,大学に比べて教育内容の実態把握が難しい看護専門学校に焦点をあてて実態調査を行い,現状と学校差の有無,課題を明らかにすることである。 方  法 全国の全日制3年課程の看護専門学校のうち閉校予定などを除く487校を調査対象とし,郵送による無記名式質問紙調査を行った。主な評価項目は,英語教育と国際化教育(言語以外)の時間数や内容,方向性,求める講師,どのような国際化対応人材を育成したいか,課題点,である。 結  果 回収は170通(回収率34.9%)であり,3年間の英語時間数は学校差が大きく,平均は52.35時間であった。国際化教育は74%の学校が導入しているが,53%の学校が内容の充実を求め,海外での医療か外国人医療を経験した医療者を講師としたい回答が多かった。育成したい人材として国内で外国人患者対応ができる看護師が最も多く,課題は時間と人材の不足であった。 考  察 国内事情を受け,海外で活躍する人材より国内で多文化対応ができる看護師の育成を目指す回答が4.7倍多く,国際看護の中心が海外から国内に移っていることが示唆された。今後医療通訳者など国内の多文化医療の専門家を講師として活用するなど,養成においても積極的に多職種連携を検討する価値があると考えられる。 | 
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| ISSN: | 1883-8774 2433-4308  | 
| DOI: | 10.24658/bunkakango.13.1_1_38 |