脳神経内科医におけるバーンアウトの現状と対策―第1報

医師のバーンアウトに関連する要因を明らかにし,今後の対策に活かすため,2019年10月,日本神経学会はバーンアウトに関するアンケートを脳神経内科医に対して行った.学会員8,402名の15.0%にあたる1,261名から回答を得た.日本版バーンアウト尺度の下位尺度の平均は,情緒的消耗感2.86/5点,脱人格化2.21/5点,個人的達成感の低下3.17/5点であった.また本邦の脳神経内科医のバーンアウトは,労働時間や患者数といった労働負荷ではなく,自身の仕事を有意義と感じられないことやケアと直接関係のない作業などと強く関連していた.これらを改善する対策を,個人,病院,学会,国家レベルで行う必要がある...

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Published in臨床神経学 Vol. 61; no. 2; pp. 89 - 102
Main Authors 清水, 優子, 久保, 真人, 小池, 亮子, 下畑, 享良, 加世田, ゆみ子, 小川, 崇, 横山, 和正, 道勇, 学, 戸田, 達史, 服部, 信孝, 日本神経学会キャリア形成促進委員会, 坪井, 義夫, 武田, 篤, 海野, 佳子, 饗場, 郁子, 宮地, 隆史, 吉田, 一人, 三澤, 園子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2021
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001533

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Summary:医師のバーンアウトに関連する要因を明らかにし,今後の対策に活かすため,2019年10月,日本神経学会はバーンアウトに関するアンケートを脳神経内科医に対して行った.学会員8,402名の15.0%にあたる1,261名から回答を得た.日本版バーンアウト尺度の下位尺度の平均は,情緒的消耗感2.86/5点,脱人格化2.21/5点,個人的達成感の低下3.17/5点であった.また本邦の脳神経内科医のバーンアウトは,労働時間や患者数といった労働負荷ではなく,自身の仕事を有意義と感じられないことやケアと直接関係のない作業などと強く関連していた.これらを改善する対策を,個人,病院,学会,国家レベルで行う必要がある.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001533