腰部脊柱管狭窄症と末梢動脈疾患の自覚症状 九州・沖縄地区アンケート調査の結果

2004年7月~2005年8月までの期間,九州・沖縄地区の218施設の病院・診療所の受診者4,750名に腰下肢症状に関するアンケート調査を行い,50歳以上80歳未満の腰部脊柱管狭窄症(LCS)329例と,末梢動脈疾患(PAD)64例の自覚症状について検討した.LCSはPADより痛みやしびれを自覚していることが多く,腰殿部の症状や,姿勢による症状の変化(前屈で軽減,後屈で増強)を認めることが多いが,自覚症状は類似しており,特異的な所見は指摘できなかった.また,LCSの多くは加齢に伴う退行性変化を基盤として発症するが,70歳未満と70歳以上の2群の自覚症状に大きな相違はなかった.両疾患は合併例も存...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 13; no. 1; pp. 144 - 149
Main Authors 朴, 珍守, 佐藤, 公昭, 吉田, 龍弘, 永田, 見生, 横須賀, 公章, 山田, 圭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2007
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ISSN1345-9074
1882-1863
DOI10.3753/yotsu.13.144

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Summary:2004年7月~2005年8月までの期間,九州・沖縄地区の218施設の病院・診療所の受診者4,750名に腰下肢症状に関するアンケート調査を行い,50歳以上80歳未満の腰部脊柱管狭窄症(LCS)329例と,末梢動脈疾患(PAD)64例の自覚症状について検討した.LCSはPADより痛みやしびれを自覚していることが多く,腰殿部の症状や,姿勢による症状の変化(前屈で軽減,後屈で増強)を認めることが多いが,自覚症状は類似しており,特異的な所見は指摘できなかった.また,LCSの多くは加齢に伴う退行性変化を基盤として発症するが,70歳未満と70歳以上の2群の自覚症状に大きな相違はなかった.両疾患は合併例も存在するため,PADの存在を確認するためには下肢の脈拍を触診し,疑いがあればABIを実施する必要がある.診断にあたっては問診・理学所見・画像および検査所見の総合的な判断を要す.
ISSN:1345-9074
1882-1863
DOI:10.3753/yotsu.13.144