慢性疾患患者が食事を改善し維持に至る認識の変化の過程

本研究の目的は,食事を改善し維持できた慢性疾患患者の認識の変化を明らかにし,健康と食に対する自己評価が食事を維持することに及ぼす影響を明確にすることである。県内の病院に通院加療中の慢性疾患患者を調査対象とし半構成的面接を行い,逐語録をもとに再構成した。調査対象の内,食事を改善できていた7名から,認識が変化した局面の特徴を抽象化し共通性を取り出した結果,①『身体の異変を知覚し問いかける』,②『身体の異変と食事とがつながってわかる』,③『自己の食事を客観視する』,④『食事実践上の視点がわかり,目安が描ける』,⑤『食事の規範が形成される』,⑥『健康と食の関心が高まる』を抽き出せた。またそれぞれ個別な...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 31; no. 5; pp. 5_39 - 5_48
Main Authors 川島, 和代, 諸江, 由紀子, 藤田, 三恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.12.2008
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20080829003

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Summary:本研究の目的は,食事を改善し維持できた慢性疾患患者の認識の変化を明らかにし,健康と食に対する自己評価が食事を維持することに及ぼす影響を明確にすることである。県内の病院に通院加療中の慢性疾患患者を調査対象とし半構成的面接を行い,逐語録をもとに再構成した。調査対象の内,食事を改善できていた7名から,認識が変化した局面の特徴を抽象化し共通性を取り出した結果,①『身体の異変を知覚し問いかける』,②『身体の異変と食事とがつながってわかる』,③『自己の食事を客観視する』,④『食事実践上の視点がわかり,目安が描ける』,⑤『食事の規範が形成される』,⑥『健康と食の関心が高まる』を抽き出せた。またそれぞれ個別な情況が認識の変化を促したり妨げたりという影響を及ぼしていた。食事を改善し維持している慢性疾患患者には身体の異変を知覚し問いかけが始まり,身体の異変をイメージ化し自分の食事の具体とつながることが重要であった。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20080829003