大学病院に勤務する看護師の組織残留意欲に関連する要因

大学病院に勤務する看護師の組織コミットメントに関わる残留意欲の関連要因を明らかにすることを目的に,関東の1つの県の大学病院4施設に勤務する看護師3305名を対象として,残留意欲を評価する尺度などを項目に含む無記名の自記式質問紙調査を実施し,1423名(有効回答率43.1%)から有効な回答を得た。回答者の年齢は32.3±9.5歳,看護師経験年数は9.5±7.9年,残留意欲の合計得点は8.0±2.2点であった。残留意欲の合計得点を目的変数,個人要因,職場環境要因,看護師の仕事の受け止め方,仕事のストレス,看護師自身の自己の捉え方を説明変数とした重回帰分析(調整済みR2=0.229)において,残留意...

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Published in日本健康医学会雑誌 Vol. 30; no. 4; pp. 436 - 448
Main Authors 小林, 由起子, 島野, 愛子, 冨田, 幸江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康医学会 31.01.2022
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ISSN1343-0025
2423-9828
DOI10.20685/kenkouigaku.30.4_436

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Summary:大学病院に勤務する看護師の組織コミットメントに関わる残留意欲の関連要因を明らかにすることを目的に,関東の1つの県の大学病院4施設に勤務する看護師3305名を対象として,残留意欲を評価する尺度などを項目に含む無記名の自記式質問紙調査を実施し,1423名(有効回答率43.1%)から有効な回答を得た。回答者の年齢は32.3±9.5歳,看護師経験年数は9.5±7.9年,残留意欲の合計得点は8.0±2.2点であった。残留意欲の合計得点を目的変数,個人要因,職場環境要因,看護師の仕事の受け止め方,仕事のストレス,看護師自身の自己の捉え方を説明変数とした重回帰分析(調整済みR2=0.229)において,残留意欲との関連が認められたのは「キャリアコミットメントの合計点」(β=0.340),「上司は,話を聴いてくれる」(β=0.102),「仕事に対してストレスを感じている」(β=-0.107)であった。大学病院に勤務する看護師の組織コミットメントに関わる残留意欲を高めるには,看護の仕事にキャリアコミットできるための継続教育の充実を図ることや,ストレスを軽減するための支援,上司がスタッフの話を聴けるような職場の雰囲気作りが重要であると考える。
ISSN:1343-0025
2423-9828
DOI:10.20685/kenkouigaku.30.4_436