入院中の子どもへの遊びによる看護介入の効果に関する研究

本研究は,入院中の子どもたちに対して遊びによる看護介入を行うことが,子どもたちの不安や健康問題解決に関する考え方,自己効力感などの変容に関与するかどうかを検証する目的で実施した。  対象は入院中の子どもで,尺度測定にこたえられ,研究の目的に同意し,協力が得られたもの10名とした。  方法は,遊びの時間を一日一回約30分間とし,合計4回連続して遊び,経時的に不安や保健行動統制,自己効力感などを,既存の尺度を用いて測定した。  遊びによる看護介入の効果を分析した結果,子どもたちの不安はもともと強くはなく,介入後不安はより弱くなり,健康問題解決における他者統制が高かったが,介入後一旦統制は低くなり,...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 24; no. 4; pp. 4_57 - 4_68
Main Authors 遠藤, 芳子, 塩飽, 仁, 福井, 里佳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.09.2001
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20010901005

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Summary:本研究は,入院中の子どもたちに対して遊びによる看護介入を行うことが,子どもたちの不安や健康問題解決に関する考え方,自己効力感などの変容に関与するかどうかを検証する目的で実施した。  対象は入院中の子どもで,尺度測定にこたえられ,研究の目的に同意し,協力が得られたもの10名とした。  方法は,遊びの時間を一日一回約30分間とし,合計4回連続して遊び,経時的に不安や保健行動統制,自己効力感などを,既存の尺度を用いて測定した。  遊びによる看護介入の効果を分析した結果,子どもたちの不安はもともと強くはなく,介入後不安はより弱くなり,健康問題解決における他者統制が高かったが,介入後一旦統制は低くなり,一週間後はもとにもどる傾向が認められた。 効力感はもともと高い傾向にあったが,介入後学業達成と自己に対する効力感はより高くなり,友人関係に対しての効力感は介入後高くなり,運動に対しての効力感は低くなった。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20010901005