またぎ越え動作における頭部,体幹の動きについて 前額面からの観察より

〔目的〕理学療法士が歩行評価・分析をする際には,前額面からの左右差などを観察することが多い。そこで本研究の目的は,極端に左右差が出る「片脚またぎ越え歩行」について,前額面からの骨盤,胸郭,頭部の動きを分析することとした。〔対象〕骨関節に既往の無い 健常成人男性12名とした。〔方法〕平地歩行,10 cm,30 cmのまたぎ越え歩行を,三次元動作分析装置を用い,前額面から頭部,胸郭,骨盤の傾斜角,頭部-胸郭の側屈角,胸郭-腰部の側屈角と体重心の左右移動を計測し,各パラメータのまたぎ動作期間におけるパターンと振幅の最大値を分析した。〔結果〕またぎ越え歩行におけるパターンは,またぐ前に一度遊脚側に骨盤...

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Published in理学療法科学 Vol. 24; no. 6; pp. 913 - 918
Main Authors 山本, 澄子, 松澤, 恵美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2009
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.24.913

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Summary:〔目的〕理学療法士が歩行評価・分析をする際には,前額面からの左右差などを観察することが多い。そこで本研究の目的は,極端に左右差が出る「片脚またぎ越え歩行」について,前額面からの骨盤,胸郭,頭部の動きを分析することとした。〔対象〕骨関節に既往の無い 健常成人男性12名とした。〔方法〕平地歩行,10 cm,30 cmのまたぎ越え歩行を,三次元動作分析装置を用い,前額面から頭部,胸郭,骨盤の傾斜角,頭部-胸郭の側屈角,胸郭-腰部の側屈角と体重心の左右移動を計測し,各パラメータのまたぎ動作期間におけるパターンと振幅の最大値を分析した。〔結果〕またぎ越え歩行におけるパターンは,またぐ前に一度遊脚側に骨盤が傾斜し,その後大きく立脚側に傾斜するパターンであった。胸郭はそれに伴い,相反的な動きを呈した。また,またぎ越え動作は骨盤の動きに大きく依存していた。〔結語〕骨盤の傾斜,胸腰椎の側屈がまたぎ動作に大きく関与していることがわかった。今後は矢状面からの観察や,各セグメントの最大値のタイミングなどを定量化した分析が必要である。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.24.913