在宅静脈栄養法施行患者のQuality of Lifeに関連する要因の分析
HPN患者のQOLの満足感に焦点を当て,それには身体,心理,社会的要因と支援ネットワークが影響するという因果モデルを想定した。本研究の目的は,このモデルをデータに基づいて検証することで,QOLの向上を目指した効果的な看護介入について検討することにある。そのため良性疾患を有するHPN患者31名を対象とした質問紙調査を行い,27名から回答が得られた。 結果,自覚症状が多くなると不安感が増強し,それが満足感を低下させる方向に影響していた。また,活動レベルが良好なことは,自尊心を高め,高い自尊心は仕事への復帰を促し,それが満足感を高める方向に影響していた。しかし,支援ネットワークは満足感に影響して...
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Published in | 日本看護研究学会雑誌 Vol. 27; no. 1; pp. 1_107 - 1_113 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本看護研究学会
01.04.2004
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Subjects | |
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ISSN | 2188-3599 2189-6100 |
DOI | 10.15065/jjsnr.20040127008 |
Cover
Summary: | HPN患者のQOLの満足感に焦点を当て,それには身体,心理,社会的要因と支援ネットワークが影響するという因果モデルを想定した。本研究の目的は,このモデルをデータに基づいて検証することで,QOLの向上を目指した効果的な看護介入について検討することにある。そのため良性疾患を有するHPN患者31名を対象とした質問紙調査を行い,27名から回答が得られた。 結果,自覚症状が多くなると不安感が増強し,それが満足感を低下させる方向に影響していた。また,活動レベルが良好なことは,自尊心を高め,高い自尊心は仕事への復帰を促し,それが満足感を高める方向に影響していた。しかし,支援ネットワークは満足感に影響していなかった。 HPN患者への看護介入では,まず身体的苦痛を除くことに重点を置き,次に不安感を和らげ,自尊心を高める援助を行い,最終的に職業的機能の回復を促すことがQOLの向上に繋がるのではないかと考えられる。 |
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ISSN: | 2188-3599 2189-6100 |
DOI: | 10.15065/jjsnr.20040127008 |