遺伝性非ポリポーシス大腸癌の診断, 治療および予後

遺伝性非ポリポーシス大腸癌(Hereditary Nonpolyposis Colorectal Cancer: HNPCC)は常染色体優生遺伝性疾患で, 若年で発症し, 右側結腸に好発し, 多発癌や重複癌が多く, 予後は比較的良好である. 家族性大腸腺腫症(Familial Adenomatous Polyposis: FAP)のようにポリープが密生するような形質発現がなく, 診断には詳細な家族歴の聴取が必要である. HNPCC患者では2次癌の発生頻度が高く, 2次癌の発見のために厳重な経過観察が大切である. 最近HNPCCの原因遺伝子の解析が進み, HNPCCはミスマッチ修復遺伝子の変異に...

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Published in医療 Vol. 52; no. 10; pp. 587 - 590
Main Author 友田, 博次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1998
国立医療学会
Subjects
2次癌
HNPCC
ミスマッチ修復遺伝子
良好な予後
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.52.587

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Summary:遺伝性非ポリポーシス大腸癌(Hereditary Nonpolyposis Colorectal Cancer: HNPCC)は常染色体優生遺伝性疾患で, 若年で発症し, 右側結腸に好発し, 多発癌や重複癌が多く, 予後は比較的良好である. 家族性大腸腺腫症(Familial Adenomatous Polyposis: FAP)のようにポリープが密生するような形質発現がなく, 診断には詳細な家族歴の聴取が必要である. HNPCC患者では2次癌の発生頻度が高く, 2次癌の発見のために厳重な経過観察が大切である. 最近HNPCCの原因遺伝子の解析が進み, HNPCCはミスマッチ修復遺伝子の変異によることが判ってきた. 将来は遺伝子による診断が一般化されることが期待されている.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.52.587