糖尿病治療に挑む新しい薬剤開発 ─「教育・臨床現場の声」と「天然物・有機・無機化合物」からのアプローチ

糖尿病の薬物療法は, 血糖値のコントロールを主な目的としたインスリンや数種の血糖値降下剤が開発されており, 臨床現場で活躍をみせている. しかし, それらの治療薬は投与回数や副作用などが原因となり患者のQOLを低下させるため, 新たな薬剤の開発が望まれている. また, 糖尿病患者の直接の死因につながる慢性合併症の薬物治療は, 主として対症療法であり, 合併症治療薬として使用されているものは数少なく, アンメット・メディカル・ニーズの高い領域として捉えられている. 今後, 糖尿病患者数は増加する見通しであり, さらなる糖尿病関連治療薬の開発が望まれていることは言うまでもない. そのような状況の中...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 131; no. 6; pp. 891 - 892
Main Authors 安達, 祐介, 吉川, 豊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 2011
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.131.891

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Summary:糖尿病の薬物療法は, 血糖値のコントロールを主な目的としたインスリンや数種の血糖値降下剤が開発されており, 臨床現場で活躍をみせている. しかし, それらの治療薬は投与回数や副作用などが原因となり患者のQOLを低下させるため, 新たな薬剤の開発が望まれている. また, 糖尿病患者の直接の死因につながる慢性合併症の薬物治療は, 主として対症療法であり, 合併症治療薬として使用されているものは数少なく, アンメット・メディカル・ニーズの高い領域として捉えられている. 今後, 糖尿病患者数は増加する見通しであり, さらなる糖尿病関連治療薬の開発が望まれていることは言うまでもない. そのような状況の中, 製薬企業のみならず大学などの研究機関において糖尿病をアウトプットとした研究が盛んに行われている. しかし, 研究現場では, どのくらい臨床現場の声を聞きながら研究を推進しているのだろうか. 新たな治療薬を開発するには, 現場からのニーズを知る必要があり, それらを知ることで新たなコンセプトを持った治療薬を見い出せる可能性がある.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.131.891