自治医科大学附属病院総合診療部に入院した発熱患者の原因疾患の内訳

要 旨 目的 : 自治医科大学附属病院総合診療部に入院した発熱患者の原因疾患の分布を調査した. 方法 : 2003年4月から2004年3月までに当院総合診療部に入院したすべての患者を対象とした. 病歴要約とカルテから発熱と不明熱が主訴に含まれる症例と入院時腋下体温が37.5°C以上であった全症例の原因疾患を調査した. 結果 : 延べ464名の入院患者のうち発熱患者は221名 (47.6%) であった. 発熱の原因として最も多かったのは感染症で149名 (67.4%) であった. 以下悪性腫瘍9名 (4.1%), 膠原病7名 (3.2%), その他23名 (10.4%) となった. 発熱患者のう...

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Published in日本プライマリ・ケア連合学会誌 Vol. 35; no. 4; pp. 279 - 285
Main Authors 石川, 鎮清, 梶井, 英治, 黒木, 茂広, 熊田, 真樹, 内田, 真一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会 2012
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ISSN2185-2928
2187-2791
DOI10.14442/generalist.35.279

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Summary:要 旨 目的 : 自治医科大学附属病院総合診療部に入院した発熱患者の原因疾患の分布を調査した. 方法 : 2003年4月から2004年3月までに当院総合診療部に入院したすべての患者を対象とした. 病歴要約とカルテから発熱と不明熱が主訴に含まれる症例と入院時腋下体温が37.5°C以上であった全症例の原因疾患を調査した. 結果 : 延べ464名の入院患者のうち発熱患者は221名 (47.6%) であった. 発熱の原因として最も多かったのは感染症で149名 (67.4%) であった. 以下悪性腫瘍9名 (4.1%), 膠原病7名 (3.2%), その他23名 (10.4%) となった. 発熱患者のうち不明熱と診断されたものは26名 (11.8%) であった. その原因として最も多かったのは膠原病の9名 (34.6%) であった. 原因不明は7名でその割合は26.9%と過去の報告と一致した. 発熱の原因として悪性腫瘍と膠原病の割合は30歳代から50歳代までいずれも約16%を占め, このうち不明熱の基準を満たした症例は1例だけであった. 結論 : 発熱の原因疾患は感染症が最も多かった. 外来にて経過観察しても症状の改善が見られない場合には, 入院での全身精査が必要と思われた. 不明熱の原因疾患として非感染性炎症性疾患が重要と思われる.
ISSN:2185-2928
2187-2791
DOI:10.14442/generalist.35.279