原発性肺癌術後の連続歩行獲得に影響を及ぼす因子の検討 肺葉切除術周術期における理学療法の役割
〔目的〕原発性肺癌に対する肺葉切除術後の離床に影響を及ぼす因子の抽出を行うことを目的とした。〔対象〕術前,あるいは術後に理学療法が介入した60例(66.9±11.3歳,男性42例,女性18例)であった。〔方法〕離床を約50 mの連続歩行が可能になることとし,それまでに要した日数を記録した。それに影響候補因子として,術前呼吸機能,術前理学療法の有無,手術方法,手術部位,年齢,性別,術前BMIについて測定した。〔結果〕術後の連続歩行獲得までに要した日数に影響を及ぼす因子は認めなかった。しかし,離床までに術後1週間以上を要した患者6例の特徴は,80歳以上の高齢,高度の気流制限,術後の疼痛,BMI低値...
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Published in | 理学療法科学 Vol. 23; no. 5; pp. 619 - 623 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
理学療法科学学会
2008
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Subjects | |
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ISSN | 1341-1667 2434-2807 |
DOI | 10.1589/rika.23.619 |
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Summary: | 〔目的〕原発性肺癌に対する肺葉切除術後の離床に影響を及ぼす因子の抽出を行うことを目的とした。〔対象〕術前,あるいは術後に理学療法が介入した60例(66.9±11.3歳,男性42例,女性18例)であった。〔方法〕離床を約50 mの連続歩行が可能になることとし,それまでに要した日数を記録した。それに影響候補因子として,術前呼吸機能,術前理学療法の有無,手術方法,手術部位,年齢,性別,術前BMIについて測定した。〔結果〕術後の連続歩行獲得までに要した日数に影響を及ぼす因子は認めなかった。しかし,離床までに術後1週間以上を要した患者6例の特徴は,80歳以上の高齢,高度の気流制限,術後の疼痛,BMI低値であった。〔結論〕術後合併症のリスクファクターを持つ患者に対しては,術後早期の離床と術前における耐運動能の増強を図ることが周術期理学療法の主要な役割として考えられた。 |
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ISSN: | 1341-1667 2434-2807 |
DOI: | 10.1589/rika.23.619 |