家庭医療学研究 : 新たな家庭医療学研究の展望

日本において家庭医療学は比較的新しく, 急速に発展しつつある分野である. 家庭医療学が日本で専門分野として認知されるためには, 独自の研究課題やそれに適した研究法を確立することが必須である. しかし, 家庭医療学研究をデザインするにあたってのガイダンスとなる日本語文献はほとんど存在しない. 本稿では, 「臨床ストーリー」から派生する様々なリサーチクエスチョンを特定し, 適切な研究デザインと結びつける方略を紹介する. また, シングルメソッドや量的・質的研究法両方の利点を活かした混合研究法を含む主要な研究デザイン例を紹介する. 家庭医療学研究には, ジェネラリスト専門領域独自の特徴を保持する形で...

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Published in日本プライマリ・ケア連合学会誌 Vol. 37; no. 2; pp. 116 - 123
Main Authors 本原, 理子, クラブトリー, ベンジャミン F., フェターズ, マイク D., 鳴本, 敬一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会 2014
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ISSN2185-2928
2187-2791
DOI10.14442/generalist.37.116

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Summary:日本において家庭医療学は比較的新しく, 急速に発展しつつある分野である. 家庭医療学が日本で専門分野として認知されるためには, 独自の研究課題やそれに適した研究法を確立することが必須である. しかし, 家庭医療学研究をデザインするにあたってのガイダンスとなる日本語文献はほとんど存在しない. 本稿では, 「臨床ストーリー」から派生する様々なリサーチクエスチョンを特定し, 適切な研究デザインと結びつける方略を紹介する. また, シングルメソッドや量的・質的研究法両方の利点を活かした混合研究法を含む主要な研究デザイン例を紹介する. 家庭医療学研究には, ジェネラリスト専門領域独自の特徴を保持する形での確固とした研究基盤の確立と, プライマリ・ケア現場で生まれる複雑なリサーチクエスチョンに取り組むために研究チームを統率できる家庭医療学研究者が必要とされている.
ISSN:2185-2928
2187-2791
DOI:10.14442/generalist.37.116