米国ミシガン大学家庭医療臨床実習の紹介 : 日本の卒前家庭医療教育発展のために

要 旨 目的 : 学生の家庭医療に対する関心が年々増加するなか, 学生に家庭医療を教える際のモデルが必要とされつつある. 我々は今回ミシガン大学家庭医療科での臨床実習を紹介するとともに, 学生に対する家庭医療の臨床実習をいかにして日本に普及させていくかという点についても若干の考察を試みた. 方法 : ミシガン大学家庭医療科で行われている学生の臨床実習の目的と内容を分析し, 報告する. 結果 : ミシガン大学医学部では, 家庭医療実習は必修科目となっている. 実習の内容は, 講義の受講, 診療所での患者のケアそしてClinical及びFamily Case Studyである. 中でも診療所での経...

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Published in日本プライマリ・ケア連合学会誌 Vol. 35; no. 3; pp. 222 - 230
Main Authors 三ッ浪, 健一, マイク・, D・フェターズ, 本原, 理子, 藤本, 明子, 遠藤, 浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会 2012
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ISSN2185-2928
2187-2791
DOI10.14442/generalist.35.222

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Summary:要 旨 目的 : 学生の家庭医療に対する関心が年々増加するなか, 学生に家庭医療を教える際のモデルが必要とされつつある. 我々は今回ミシガン大学家庭医療科での臨床実習を紹介するとともに, 学生に対する家庭医療の臨床実習をいかにして日本に普及させていくかという点についても若干の考察を試みた. 方法 : ミシガン大学家庭医療科で行われている学生の臨床実習の目的と内容を分析し, 報告する. 結果 : ミシガン大学医学部では, 家庭医療実習は必修科目となっている. 実習の内容は, 講義の受講, 診療所での患者のケアそしてClinical及びFamily Case Studyである. 中でも診療所での経験が実習の大半を占め, 臨床の現場で家庭医療の基礎を身につけることができる. 学生に対する評価方法は臨床実習の最初に説明され, 中間評価が学生にフィードバックされた後, 診療所での診察能力 (60%) ・筆記試験 (20%) ・Family Case Study (20%) にて最終的に評価される. 結論 : ミシガン大学の臨床実習では, 詳細なマニュアルが完備しており, 期間も4週間と長く, 学生が診療所で指導医と1 : 1で学ぶ機会が多い. 日本では指導医が少ないが, 工夫によっては充実した臨床実習が実現可能であり, 今後の日本の家庭医療の発展のためにも学生の臨床実習の充実が期待される.
ISSN:2185-2928
2187-2791
DOI:10.14442/generalist.35.222