施設改修による入所高齢者の夜間睡眠への影響

介護老人保健施設の改修による夜間睡眠への影響を確認するため,入所高齢者3名の睡眠変数と生活環境を改修前と改修中で比較検討した。改修前と改修中の各2週間,睡眠変数として総睡眠時間と中途覚醒時間をアクティグラフで24時間測定した。生活環境は,同居者の有無や夜間の施設スケジュール等とし,対象者の特徴は,年齢や性別,介護度等とした。対象者は男性2名と女性1名で,年齢は69~86歳,要介護度は2~5であった。就寝時の部屋や同室者,生活スケジュール等は改修前と改修中で変化はなかった。総睡眠時間と中途覚醒時間の中央値は,対象者1と対象者2は改修前より改修中に減少し,対象者3は増加していたが,それらの最小値と...

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Published in日本健康医学会雑誌 Vol. 34; no. 1; pp. 95 - 99
Main Authors 佐々木 八千代, 手塚 栞菜, 白井 みどり, 小西 円
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康医学会 28.04.2025
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ISSN1343-0025
2423-9828
DOI10.20685/kenkouigaku.34.1_95

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Summary:介護老人保健施設の改修による夜間睡眠への影響を確認するため,入所高齢者3名の睡眠変数と生活環境を改修前と改修中で比較検討した。改修前と改修中の各2週間,睡眠変数として総睡眠時間と中途覚醒時間をアクティグラフで24時間測定した。生活環境は,同居者の有無や夜間の施設スケジュール等とし,対象者の特徴は,年齢や性別,介護度等とした。対象者は男性2名と女性1名で,年齢は69~86歳,要介護度は2~5であった。就寝時の部屋や同室者,生活スケジュール等は改修前と改修中で変化はなかった。総睡眠時間と中途覚醒時間の中央値は,対象者1と対象者2は改修前より改修中に減少し,対象者3は増加していたが,それらの最小値と最大値には大きな差があった。観察日ごとの総睡眠時間は,対象者1と対象者3では改修前と改修中で増減の傾向が類似していたが,対象者2では改修前と改修中いずれも一定の傾向が見られなかった。生活環境が改修前と改修中で概ね同様であったことを踏まえると,改修中にあった総睡眠時間や中途覚醒時間の増減は,改修による影響ではなく対象者個人の睡眠リズムを示していると考えられた。
ISSN:1343-0025
2423-9828
DOI:10.20685/kenkouigaku.34.1_95