高齢者の総胆管結石における内視鏡的切石術の検討
目的:高齢者の比率は年々上昇傾向にある.総胆管結石は高齢になるとともに罹患率が上昇するといわれており,今後治療を要する機会が増加すると考えられる.そこで80歳以上の高齢者に対する内視鏡的総胆管切石術の有用性と安全性を検討した.方法:2012年1月から2013年12月までの間に当院で初回の内視鏡的総胆管切石術を試みた症例のうち80歳以上(20例)と,79歳以下(50例)の2群間で後ろ向きに比較検討した.患者背景として,抗血栓薬内服の有無,腹部手術歴の有無,Performance Status(PS),結石短径,結石個数を,治療手技として,内視鏡的乳頭括約筋切開術,内視鏡的乳頭バルーン拡張術,内視...
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| Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 52; no. 3; pp. 254 - 259 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本老年医学会
25.07.2015
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0300-9173 |
| DOI | 10.3143/geriatrics.52.254 |
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| Summary: | 目的:高齢者の比率は年々上昇傾向にある.総胆管結石は高齢になるとともに罹患率が上昇するといわれており,今後治療を要する機会が増加すると考えられる.そこで80歳以上の高齢者に対する内視鏡的総胆管切石術の有用性と安全性を検討した.方法:2012年1月から2013年12月までの間に当院で初回の内視鏡的総胆管切石術を試みた症例のうち80歳以上(20例)と,79歳以下(50例)の2群間で後ろ向きに比較検討した.患者背景として,抗血栓薬内服の有無,腹部手術歴の有無,Performance Status(PS),結石短径,結石個数を,治療手技として,内視鏡的乳頭括約筋切開術,内視鏡的乳頭バルーン拡張術,内視鏡的乳頭大バルーン拡張術の有無を,治療成績として,手技時間,完全切石率,手技完遂率(完全切石,もしくは胆管ステント留置),偶発症の有無を検討した.結果:抗血栓薬内服の有無,腹部手術歴の有無,結石個数,治療手技には両群間で有意差を認めなかった.80歳以上でPSは有意に低下し,結石短径は有意に大きかったものの,治療成績として検討した手技時間,完全切石率,手技完遂率,偶発症には両群に有意差を認めなかった.結論:80歳以上の総胆管結石症例において,内視鏡的総胆管切石術は有効かつ安全な治療と考えられた. |
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| ISSN: | 0300-9173 |
| DOI: | 10.3143/geriatrics.52.254 |