新しいコラーゲン線維膜のGTR法への応用に関する研究第2報サルの根分岐部外科的骨欠損部への応用

本研究は, 第1報で報告した強化コラーゲン線維膜を根分岐部病変部のGTR法に応用した場合の効果を評価する目的で行なった。カニクイザル上下顎臼歯部の根分岐部にII級とIII級の外科的骨欠損を作り根面のセメント質を取り除いた後, 実験群は強化コラーゲン線維膜によるGTR法を行い, 対照群はそのまま弁を戻した。観察期間は2, 4, 8週とし, 臨床診査と病理組織学的観察および組織学的計測を行った。臨床診査結果では, 2週後のみprobing depthとclinc alattachment levelの根尖側移動量が実験群でやや大きかったが, 他は両群間に差はなかった。病理組織学的観察結果では, 実...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 33; no. 4; pp. 872 - 885
Main Author 熱田, 勤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1991
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.33.872

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Summary:本研究は, 第1報で報告した強化コラーゲン線維膜を根分岐部病変部のGTR法に応用した場合の効果を評価する目的で行なった。カニクイザル上下顎臼歯部の根分岐部にII級とIII級の外科的骨欠損を作り根面のセメント質を取り除いた後, 実験群は強化コラーゲン線維膜によるGTR法を行い, 対照群はそのまま弁を戻した。観察期間は2, 4, 8週とし, 臨床診査と病理組織学的観察および組織学的計測を行った。臨床診査結果では, 2週後のみprobing depthとclinc alattachment levelの根尖側移動量が実験群でやや大きかったが, 他は両群間に差はなかった。病理組織学的観察結果では, 実験群は治癒初期に上皮の侵入が抑制され, その後は対照群に比べて歯槽骨とセメント質の再生状態がよくなる傾向が見られた。特に上皮侵入の無かった歯を比較すると, この傾向はより顕著であり, 強化コラーゲン線維膜のGTR法への臨床応用の可能性は大きいと思われた。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.33.872