当院における内視鏡下副鼻腔手術症例の検討

目的: 当院における内視鏡下副鼻腔手術症例, および, 喘息合併慢性副鼻腔炎手術症例の臨床的特徴を明らかにすること。 方法: 2009年9月29日から2015年7月1日までの間に, 当院にて内視鏡下副鼻腔手術を施行した627例 (1,038側) について後方視的に検討した。 結果: 内視鏡下副鼻腔手術を施行した症例において, 最も多い疾患は慢性副鼻腔炎 (81.0%) であり, 最も多い症状は鼻閉 (43.8%) であった。 術式は汎副鼻腔手術 (61.8%) が最も多く施行され, 鼻中隔矯正術併用率は70.5%だった。 ナビゲーションシステム使用は9.9%, 緊急手術は1.4%, 視覚障害を...

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Published inJIBI INKOKA TEMBO Vol. 60; no. 1; pp. 23 - 28
Main Authors 清水, 雄太, 小林, 小百合
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 2017
Society of Oto-rhino-laryngology Tokyo
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo.60.1_23

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Summary:目的: 当院における内視鏡下副鼻腔手術症例, および, 喘息合併慢性副鼻腔炎手術症例の臨床的特徴を明らかにすること。 方法: 2009年9月29日から2015年7月1日までの間に, 当院にて内視鏡下副鼻腔手術を施行した627例 (1,038側) について後方視的に検討した。 結果: 内視鏡下副鼻腔手術を施行した症例において, 最も多い疾患は慢性副鼻腔炎 (81.0%) であり, 最も多い症状は鼻閉 (43.8%) であった。 術式は汎副鼻腔手術 (61.8%) が最も多く施行され, 鼻中隔矯正術併用率は70.5%だった。 ナビゲーションシステム使用は9.9%, 緊急手術は1.4%, 視覚障害を主訴とするものは1.5%, 術中・術後合併症は1.4%の症例に認められた。 慢性副鼻腔炎にて手術した症例の内17.0%に喘息の合併を認めた。 そして, 喘息合併群について非喘息合併群と比べて有意に多く認められたのは, 鼻閉 (59.7%) と嗅覚障害 (24.7%), すべての副鼻腔について術前CTで陰影が認められた割合, 両側手術 (96.1%) と汎副鼻腔手術 (86.1%), そして再手術症例 (23.2%) であった。 結論: 当院における内視鏡下副鼻腔手術症例の臨床的特徴を明らかにした。 喘息を合併している慢性副鼻腔炎症例は, その症状やCT所見, 施行術式などにおいて, 非喘息合併例とは異なる傾向を認めた。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.60.1_23