本邦運動器理学療法分野の症例報告における報告の完全性:CARE声明を用いた調査

【目的】本邦運動器理学療法の症例報告における報告の完全性について,CAse REport guidelines(以下,CARE声明)を用いて調査すること。【方法】2019年に掲載された本邦理学療法に関する症例報告を対象とした。対象を運動器分野とそれ以外に分け,CARE声明の項目毎にチェックリストを準拠した文献の割合を算出し,比較した。統計解析にはFisher’s exact testを使用した(有意水準5%)。【結果】256件の対象のうち,運動器分野は111件(43.4%)であった。このうち,「項目7 本症例のケアに関する,過去から現在までの情報をタイムラインとして整理」と「項目10d 有害事...

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Published in運動器理学療法学 Vol. 4; no. 2; pp. 93 - 100
Main Authors 髙橋, 大翔, 浦田, 龍之介, 井川, 達也, 鈴木, 皓大, 伊藤, 晃洋, 鈴木, 彬文, 屋嘉比, 章紘, 遠田, 海佳, 飯島, 進乃, 伊藤, 梨也花, 伊藤, 将円
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本運動器理学療法学会 2025
Japanese Society of Musculoskeletal physiotherapy
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ISSN2436-8075
DOI10.57281/jofmpt.202419

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Summary:【目的】本邦運動器理学療法の症例報告における報告の完全性について,CAse REport guidelines(以下,CARE声明)を用いて調査すること。【方法】2019年に掲載された本邦理学療法に関する症例報告を対象とした。対象を運動器分野とそれ以外に分け,CARE声明の項目毎にチェックリストを準拠した文献の割合を算出し,比較した。統計解析にはFisher’s exact testを使用した(有意水準5%)。【結果】256件の対象のうち,運動器分野は111件(43.4%)であった。このうち,「項目7 本症例のケアに関する,過去から現在までの情報をタイムラインとして整理」と「項目10d 有害事象や予期せぬ事象」,「項目11a 本症例に関連する強みと限界」の準拠割合は,半数未満であり,他の分野よりも統計学的有意に低かった。【結論】運動器理学療法の症例報告は,特に「タイムライン」と「フォローアップとアウトカム」,「考察」に関する情報が欠如していることが明らかとなった。
ISSN:2436-8075
DOI:10.57281/jofmpt.202419