慣性センサーを用いた歩行中の関節角度測定の妥当性の検討

本研究の目的は,光学式モーションキャプチャーを外的基準として,慣性センサーによる歩行中の関節角度測定の妥当性を検証することである。健常成人14名を対象とし,トレッドミル歩行を慣性センサーおよび光学式モーションキャプチャーシステムにて計測し,矢状面における下肢関節の角度を算出した。両機器から得られた各歩行周期の関節角度の代表値および,全歩行周期の関節角度波形の一致度を分析した。代表値の分析には級内相関係数およびBland-Altman分析,波形全体の分析にはcoefficient of multiple correlationを用いた。その結果,両機器から得られた股関節と膝関節の角度は非常に近似...

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Published inPhysical Therapy Kagoshima Vol. 2; pp. 38 - 43
Main Authors 宇都, 由貴, 宮﨑, 宣丞, 川田, 将之, 福田, 将史, 松浦, 央憲, 鈴木, 陸斗, 下世, 大治, 中島, 将武, 木山, 良二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 鹿児島県理学療法士協会 2023
Kagoshima Physical Association
Subjects
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ISSN2436-8458
DOI10.57357/ptkagoshima.2.0_38

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Summary:本研究の目的は,光学式モーションキャプチャーを外的基準として,慣性センサーによる歩行中の関節角度測定の妥当性を検証することである。健常成人14名を対象とし,トレッドミル歩行を慣性センサーおよび光学式モーションキャプチャーシステムにて計測し,矢状面における下肢関節の角度を算出した。両機器から得られた各歩行周期の関節角度の代表値および,全歩行周期の関節角度波形の一致度を分析した。代表値の分析には級内相関係数およびBland-Altman分析,波形全体の分析にはcoefficient of multiple correlationを用いた。その結果,両機器から得られた股関節と膝関節の角度は非常に近似しており,高い妥当性を示した。足関節でもterminal stanceからpre-swingの一致度がやや低くなるものの,高い妥当性を示した。本研究の結果は慣性センサーを使用した臨床の歩行測定の一助となるものである。
ISSN:2436-8458
DOI:10.57357/ptkagoshima.2.0_38