手指対立運動に関するリズム音の影響 機能的MRIによる小脳の賦活について

健常人での手指の連続的対立運動における小脳の活動を,機能的MRIにて測定し,聴覚誘導を伴う随意運動時の脳内システムについて検討した。対象は健常成人9名で,課題は1秒間に1回の速度で連続的にタップする運動で,これを自発的に行う課題(自己ペース運動)とメトロノーム音を聞き,タップする課題(聴覚誘導運動)を行った。右手では自己ペース運動において,全例において右小脳の賦活を認め,聴覚誘導運動では9例中7例において賦活が減少し,1例で消失,1例は不変であった。左手では自己ペース運動においては9例中8例に小脳での賦活を認め,聴覚誘導運動において8例中6例において賦活が減少し,1例で消失,1例は増大した。以...

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Published in理学療法科学 Vol. 20; no. 1; pp. 1 - 5
Main Authors 渡邉, 修, 来間, 弘展, 山内, 寿恵, 安保, 雅博, 米本, 恭三, 妹尾, 淳史, 池田, 由美, 菊池, 吉晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 2005
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ISSN1341-1667
2434-2807
DOI10.1589/rika.20.1

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Summary:健常人での手指の連続的対立運動における小脳の活動を,機能的MRIにて測定し,聴覚誘導を伴う随意運動時の脳内システムについて検討した。対象は健常成人9名で,課題は1秒間に1回の速度で連続的にタップする運動で,これを自発的に行う課題(自己ペース運動)とメトロノーム音を聞き,タップする課題(聴覚誘導運動)を行った。右手では自己ペース運動において,全例において右小脳の賦活を認め,聴覚誘導運動では9例中7例において賦活が減少し,1例で消失,1例は不変であった。左手では自己ペース運動においては9例中8例に小脳での賦活を認め,聴覚誘導運動において8例中6例において賦活が減少し,1例で消失,1例は増大した。以上の結果は,聴覚誘導により小脳の賦活が減少したことから,小脳のフィードフォワード制御としての機能を支持している。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.20.1