発症早期から長下肢装具を使用し歩行練習を中心とした理学療法により杖歩行を獲得した被殻出血の一例

左被殻出血を発症した症例に対し,油圧制動付き長下肢装具を作製し2動作前型無杖での歩行練習を中心とした理学療法を実施した結果,屋内杖歩行獲得に至ったため報告する。症例は,左被殻出血発症15病日目に回復期リハビリテーション病棟に入棟された70歳代の女性である。重度の右片麻痺と感覚障害を認め,基本動作は中等度介助,歩行は短下肢装具とニーブレイスを使用し,1人は後方両腋窩介助,もう1人は右下肢振り出し介助と2人介助を要した。発症早期から油圧制動付き長下肢装具を作製し,2動作前型無杖での歩行練習を中心とした理学療法を実施した結果,短下肢装具を使用し屋内杖歩行を獲得した。左被殻出血を呈した症例に対し,発症...

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Bibliographic Details
Published inPhysical Therapy Kagoshima Vol. 2; pp. 50 - 55
Main Authors 田野尻, 唯, 下田, 啓介, 久米, 康隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 鹿児島県理学療法士協会 2023
Kagoshima Physical Association
Subjects
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ISSN2436-8458
DOI10.57357/ptkagoshima.2.0_50

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Summary:左被殻出血を発症した症例に対し,油圧制動付き長下肢装具を作製し2動作前型無杖での歩行練習を中心とした理学療法を実施した結果,屋内杖歩行獲得に至ったため報告する。症例は,左被殻出血発症15病日目に回復期リハビリテーション病棟に入棟された70歳代の女性である。重度の右片麻痺と感覚障害を認め,基本動作は中等度介助,歩行は短下肢装具とニーブレイスを使用し,1人は後方両腋窩介助,もう1人は右下肢振り出し介助と2人介助を要した。発症早期から油圧制動付き長下肢装具を作製し,2動作前型無杖での歩行練習を中心とした理学療法を実施した結果,短下肢装具を使用し屋内杖歩行を獲得した。左被殻出血を呈した症例に対し,発症早期から油圧制動付き長下肢装具を作製し歩行練習を中心とした理学療法を実施することで,効率的な運動学習と身体機能の改善や,より高い歩行能力の獲得に繋がる可能性があると考えられる。
ISSN:2436-8458
DOI:10.57357/ptkagoshima.2.0_50