創薬の推進に資する分子イメージング研究

認知症根本治療薬の開発においては,①客観的診断法の確立,②背景病理の解明とそれに基づく治療標的の選択,③神経障害進行と治療効果の客観的評価系の確立,などが重要である.認知症病態に関与するβアミロイド蓄積やタウ蛋白病変などの病理変化は,創薬分野における標的分子となっているが,近年これらの脳病理変化を可視化する技術が登場し,その有用性が示されてきている.今後,分子イメージング技術による薬効評価系が確立し,認知症の根本治療薬の開発を進める基盤が整備されると期待される.本発表では,最近の認知症イメージング研究の成果について概説し,認知症根本治療薬の開発という創薬分野への応用可能性について考察する....

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Bibliographic Details
Published in臨床神経学 Vol. 54; no. 12; pp. 1174 - 1177
Main Author 島田, 斉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2014
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.54.1174

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Summary:認知症根本治療薬の開発においては,①客観的診断法の確立,②背景病理の解明とそれに基づく治療標的の選択,③神経障害進行と治療効果の客観的評価系の確立,などが重要である.認知症病態に関与するβアミロイド蓄積やタウ蛋白病変などの病理変化は,創薬分野における標的分子となっているが,近年これらの脳病理変化を可視化する技術が登場し,その有用性が示されてきている.今後,分子イメージング技術による薬効評価系が確立し,認知症の根本治療薬の開発を進める基盤が整備されると期待される.本発表では,最近の認知症イメージング研究の成果について概説し,認知症根本治療薬の開発という創薬分野への応用可能性について考察する.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.54.1174