ALS患者におけるコミュニケーション戦略:脳外科からのアプローチ

ALS患者の基本的コミュニケーション手段がすべて失われて「閉じ込め状態」となったばあい,脳活動そのものから患者の意思を読み取る方法が考えられる.これは脳信号の計測技術と解読技術(デコーディング)の発達により現実のものとなってきた.「ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)」と呼ばれる技術である.BMIのための脳信号をとらえる方法には非侵襲的方法と侵襲的方法があるが,本稿では,脳神経外科的アプローチとして私どもが研究,開発を進めている低侵襲的出力型BMIを紹介する.世界ではじめてALS患者において臨床研究がなされ,「考えるだけで」コミュニケ―ションツールを操作できた例である....

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Bibliographic Details
Published in臨床神経学 Vol. 53; no. 11; pp. 1405 - 1407
Main Authors 澤田, 甚一, 柳沢, 琢史, 吉峰, 俊樹, 望月, 秀樹, 平田, 雅之, 狭間, 敬憲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2013
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.53.1405

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Summary:ALS患者の基本的コミュニケーション手段がすべて失われて「閉じ込め状態」となったばあい,脳活動そのものから患者の意思を読み取る方法が考えられる.これは脳信号の計測技術と解読技術(デコーディング)の発達により現実のものとなってきた.「ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)」と呼ばれる技術である.BMIのための脳信号をとらえる方法には非侵襲的方法と侵襲的方法があるが,本稿では,脳神経外科的アプローチとして私どもが研究,開発を進めている低侵襲的出力型BMIを紹介する.世界ではじめてALS患者において臨床研究がなされ,「考えるだけで」コミュニケ―ションツールを操作できた例である.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.53.1405