VI.内痔核に対するALTA注四段階注射法における注入薬液の薬物動態と有害事象

内痔核に対するALTA注四段階注射法における注入薬液の薬物動態と有害事象に関する研究を行った.ALTAにICG(indocyanine green)を混じた薬液を内痔核に注入し,赤外観察カメラシステムを用いて,注入薬液の薬物動態を蛍光像として可視化した.次に,内痔核組織から離れた部位で蛍光を発する組織を採取し,組織内微量アルミニウムの検出法である ルモガリオン染色を行うと陽性であり,ALTA注後に発生した臀部蜂窩織炎の切除組織が ルモガリオン染色で陽性を示した.また,ALTA注とICG液の粒子径を測定した.その結果,内痔核に投与された両薬液は,ともにアルブミンの体内動態に一致することが推測され...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 70; no. 10; pp. 686 - 697
Main Authors 山本, 覚, 藤澤, 泰憲, 家田, 浩郎, 三輪, 光春, 元井, 信, 北川, 雄光, 山本, 裕, 藤井, 博史, 鹿山, 貴弘, 辻, 順行, 岩川, 和秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2017
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.70.686

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Summary:内痔核に対するALTA注四段階注射法における注入薬液の薬物動態と有害事象に関する研究を行った.ALTAにICG(indocyanine green)を混じた薬液を内痔核に注入し,赤外観察カメラシステムを用いて,注入薬液の薬物動態を蛍光像として可視化した.次に,内痔核組織から離れた部位で蛍光を発する組織を採取し,組織内微量アルミニウムの検出法である ルモガリオン染色を行うと陽性であり,ALTA注後に発生した臀部蜂窩織炎の切除組織が ルモガリオン染色で陽性を示した.また,ALTA注とICG液の粒子径を測定した.その結果,内痔核に投与された両薬液は,ともにアルブミンの体内動態に一致することが推測された.以上の結果から,内痔核に注入したALTA注薬液は,想定を超えて内痔核組織外に広範囲に拡散して薬理効果を発現し,有害事象発症に関与している可能性が示唆された.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.70.686