マウスのアレルギー性皮膚炎に対する3種生薬配合エキスの影響

オキサゾロン (Oxa) 誘発アレルギー性皮膚炎に対するヨモギ (Gaiyo: G) , ドクダミ (Juyaku: J) とクマザサ銅置換クロロフィル抽出残渣 (SCER) の作用を検討した.BDF1系雌性マウスを用いてOxa感作後, 0.5%Oxa-アセトン・オリーブ油溶液20μlを両耳介の内側に反復塗布して, アレルギー性皮膚炎を誘発した.Oxa反復塗布によりBDF1系雌性マウスに誘発したアレルギー性皮膚炎はアトピー性皮膚炎モデルとされるNCマウスの皮膚炎症状および耳介組織の病理組織変化と類似していた.ヨモギ, ドクダミ, SCERの単一生薬では耳介腫脹の明らかな抑制を示さなかった.SC...

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 67; no. 4; pp. 305 - 312
Main Authors 中山, 貞男, 山浦, 卓, 小口, 勝司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 28.08.2007
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ISSN0037-4342
2185-0976
DOI10.14930/jsma1939.67.305

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Summary:オキサゾロン (Oxa) 誘発アレルギー性皮膚炎に対するヨモギ (Gaiyo: G) , ドクダミ (Juyaku: J) とクマザサ銅置換クロロフィル抽出残渣 (SCER) の作用を検討した.BDF1系雌性マウスを用いてOxa感作後, 0.5%Oxa-アセトン・オリーブ油溶液20μlを両耳介の内側に反復塗布して, アレルギー性皮膚炎を誘発した.Oxa反復塗布によりBDF1系雌性マウスに誘発したアレルギー性皮膚炎はアトピー性皮膚炎モデルとされるNCマウスの皮膚炎症状および耳介組織の病理組織変化と類似していた.ヨモギ, ドクダミ, SCERの単一生薬では耳介腫脹の明らかな抑制を示さなかった.SCER-GおよびSCER-Jでは耳介腫脹の抑制がみられた.3生薬配合のSCER-GJは経口投与ならびに耳介塗布によって, 耳介腫脹と皮膚症状の改善を認めた.SCER-GJ250mg/kg経口投与の耳介病理組織学的検査では, 表皮・真皮の肥厚, 表皮の痂皮形成と肥満細胞の増加を抑制することが明らかとなった.以上のようにSCER-GJの経口投与ならびに塗布によってOxa誘発アレルギー性皮膚炎を抑制したことから, SCER-GJは種々の皮膚炎の治療に有効であることが示唆された.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.67.305