入退院を繰り返す慢性心不全患者の経験に関する質的研究

本研究は、入退院を繰り返している慢性心不全患者が、心不全とともに生きることをどのように経験しているのかを明らかにすることを目的とした。東北圏内の総合病院に入院中の慢性心不全患者に対しインタビュー調査を実施し、データを収集した。得られたデータをナラティヴ分析の手法を参考にし、それぞれの語りを分析した。研究に参加協力が得られた研究対象者は60~80歳代の男性3人であった。それぞれの語りを分析したところ、AさんBさんCさんの体験はそれぞれ4つ、3つ、2つのテーマに集約された。3人の経験からは、[機械によって生かされている身体と生き抜いている自分][高度な医療に生かしてもらいながらも、自己を貫いて自分...

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Published in保健医療社会学論集 Vol. 34; no. 1; pp. 99 - 109
Main Authors 安保, 寛明, 大江, 祐介, 山内, 典子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本保健医療社会学会 31.07.2023
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ISSN1343-0203
2189-8642
DOI10.18918/jshms.34.1_99

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Summary:本研究は、入退院を繰り返している慢性心不全患者が、心不全とともに生きることをどのように経験しているのかを明らかにすることを目的とした。東北圏内の総合病院に入院中の慢性心不全患者に対しインタビュー調査を実施し、データを収集した。得られたデータをナラティヴ分析の手法を参考にし、それぞれの語りを分析した。研究に参加協力が得られた研究対象者は60~80歳代の男性3人であった。それぞれの語りを分析したところ、AさんBさんCさんの体験はそれぞれ4つ、3つ、2つのテーマに集約された。3人の経験からは、[機械によって生かされている身体と生き抜いている自分][高度な医療に生かしてもらいながらも、自己を貫いて自分らしく生きている][あいまいな契機にはじまり増悪と寛解をくりかえす中で死を意識するようになる]などの経験をしていることが示唆された。
ISSN:1343-0203
2189-8642
DOI:10.18918/jshms.34.1_99