睡眠関連刺激に対する注意バイアスを評価する認知課題のための日本語単語リストの作成
慢性不眠障害の維持・増悪に関して,睡眠関連刺激に情報処理資源が奪われるという注意バイアスが関連していることが報告されている。注意バイアスの個人差の評価に関して,睡眠関連刺激と中性刺激に対する反応時間差を頼りとした認知課題が海外で開発されているが,これまで日本版の課題は開発されていない。そこで,本研究では,日本版認知課題を開発するための睡眠関連語―中性語の語句刺激リストを作成することを目的とした。研究1 では,『連想語頻度表』を用いて睡眠関連語候補の抽出を行い,『現代日本語書き均衡コーパス』の『短単位語彙表データベース』を用いて,睡眠関連語候補の抽出ならびに出現頻度の記述,各睡眠関連語候補と出現...
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          | Published in | 睡眠と環境 Vol. 18; no. 1; pp. 53 - 61 | 
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| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本睡眠環境学会
    
        30.06.2024
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| Subjects | |
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| ISSN | 1340-8275 2758-8890  | 
| DOI | 10.60259/jsleepenvi.18.1_53 | 
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| Summary: | 慢性不眠障害の維持・増悪に関して,睡眠関連刺激に情報処理資源が奪われるという注意バイアスが関連していることが報告されている。注意バイアスの個人差の評価に関して,睡眠関連刺激と中性刺激に対する反応時間差を頼りとした認知課題が海外で開発されているが,これまで日本版の課題は開発されていない。そこで,本研究では,日本版認知課題を開発するための睡眠関連語―中性語の語句刺激リストを作成することを目的とした。研究1 では,『連想語頻度表』を用いて睡眠関連語候補の抽出を行い,『現代日本語書き均衡コーパス』の『短単位語彙表データベース』を用いて,睡眠関連語候補の抽出ならびに出現頻度の記述,各睡眠関連語候補と出現頻度が同等な中性語候補の抽出が行われた。その結果,24の睡眠関連語候補ならびにそれらと出現頻度が同等な中性語候補が各5対,計120 語抽出された。研究2 では,成人300 名を対象に研究1 で得られた各語の睡眠関連度に関する印象評定調査を行った。そして,全てのリストにおいて睡眠関連語―中性語間に有意な印象評定差が確認された。本研究で得られた睡眠関連語―中性語リストは今後の認知課題開発の基礎資料として活用されることが期待される。 | 
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| ISSN: | 1340-8275 2758-8890  | 
| DOI: | 10.60259/jsleepenvi.18.1_53 |