膝窩動脈に再疎通を認めたバージャー病の 1 例

バージャー病による重症下肢虚血の状態で入院し,経過中に主幹動脈の広範な再疎通を認め症状改善が得られた,きわめて稀な症例を経験したので報告する.症例は42歳,男性.右足部のしびれおよび疼痛のために緊急入院となり,精査の結果バージャー病による右膝窩動脈以下の閉塞と診断された.右足部は皮膚小潰瘍を認める重症虚血状態にあり,ただちに抗凝固療法,lipo PGE1投与などの保存的治療を開始し,入院後12日目に腰部交感神経節切除を行った.入院後17日目に血行再建の可能性を検討すべく血管撮影を行ったところ,閉塞していた膝窩動脈に再疎通を認め,腓骨動脈を介して足部が灌流される様子が確認され,肢切断を行うことな...

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Bibliographic Details
Published inJapanese Journal of Vascular Surgery Vol. 16; no. 3; pp. 575 - 578
Main Author 小島, 淳夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2007
JAPANESE SOCIETY FOR VASCULAR SURGERY
Subjects
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.16.575

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Summary:バージャー病による重症下肢虚血の状態で入院し,経過中に主幹動脈の広範な再疎通を認め症状改善が得られた,きわめて稀な症例を経験したので報告する.症例は42歳,男性.右足部のしびれおよび疼痛のために緊急入院となり,精査の結果バージャー病による右膝窩動脈以下の閉塞と診断された.右足部は皮膚小潰瘍を認める重症虚血状態にあり,ただちに抗凝固療法,lipo PGE1投与などの保存的治療を開始し,入院後12日目に腰部交感神経節切除を行った.入院後17日目に血行再建の可能性を検討すべく血管撮影を行ったところ,閉塞していた膝窩動脈に再疎通を認め,腓骨動脈を介して足部が灌流される様子が確認され,肢切断を行うことなく軽快し退院となった.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.16.575