異所性副甲状腺由来のHPTの部位診断と外科的アプローチ

副甲状腺機能亢進症において原因となる副甲状腺が甲状腺近傍にみられず,異所性にみられることがある。発生学上,上副甲状腺は後縦隔に,下副甲状腺は前縦隔を中心に広範囲に位置異常を呈する可能性があり,食道・気管・咽頭の側面や後面,甲状腺内,胸腺内,頸動脈近傍,大動脈弓と肺動脈の間隙などにみられることがある。甲状腺内を除いては,異所性副甲状腺は超音波検査では診断が困難な場合が多いのでMIBIシンチグラフィと造影CTやMRIを組み合わせて局在診断を行う。MIBIシンチグラフィの際にSPECT/CTを用いると部位診断に非常に有用である。手術は,頸部にある場合は通常は頸部手術と同じアプローチで行う。腕頭静脈付...

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Published in日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 29; no. 3; pp. 193 - 197
Main Author 宮, 章博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会 2012
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ISSN2186-9545
DOI10.11226/jaesjsts.29.3_193

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Summary:副甲状腺機能亢進症において原因となる副甲状腺が甲状腺近傍にみられず,異所性にみられることがある。発生学上,上副甲状腺は後縦隔に,下副甲状腺は前縦隔を中心に広範囲に位置異常を呈する可能性があり,食道・気管・咽頭の側面や後面,甲状腺内,胸腺内,頸動脈近傍,大動脈弓と肺動脈の間隙などにみられることがある。甲状腺内を除いては,異所性副甲状腺は超音波検査では診断が困難な場合が多いのでMIBIシンチグラフィと造影CTやMRIを組み合わせて局在診断を行う。MIBIシンチグラフィの際にSPECT/CTを用いると部位診断に非常に有用である。手術は,頸部にある場合は通常は頸部手術と同じアプローチで行う。腕頭静脈付近の胸腺内にある場合は,頸部操作で切除は可能であるが,それより尾側にある場合は,胸骨切開や胸腔鏡手術の適応になることがある。
ISSN:2186-9545
DOI:10.11226/jaesjsts.29.3_193