「プレフレイル高齢大腸がん患者のための臨床的提言」総論・高齢者機能評価に関する提言 Part2

Part1総論に引き続き,高齢プレフレイル大腸がん患者の診療にあたって次の6課題をあげ,回答・解説を行った.①がん治療の目標は?⇒全生存期間だけでなく健康寿命の延伸が重要である.②医療者がとるべき基本的な姿勢は?⇒患者の意思と価値観を尊重し,医療提供の目標設定の合意形成を行う.③認知障害の疑いがある場合の意思決定能力の把握とその対応は?⇒認知機能評価ツールを利用し,本人の残存能力を最大限活かして本人が意思決定できるように支援する.④平均余命が診療方針を検討するにあたって参考になるか?⇒大腸がんの累積生存期間が推定平均余命より明らかに短い場合は,積極的ながん治療を提案する.⑤治療前後で生活の質(...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 74; no. 5; pp. 276 - 286
Main Authors 唐澤, 久美子, 田村, 和夫, 山本, 寛, 小川, 朝生, 津端, 由佳里, 上田, 倫弘, 海堀, 昌樹, 桜井, なおみ, 渡邊, 清高
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2021
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.74.276

Cover

More Information
Summary:Part1総論に引き続き,高齢プレフレイル大腸がん患者の診療にあたって次の6課題をあげ,回答・解説を行った.①がん治療の目標は?⇒全生存期間だけでなく健康寿命の延伸が重要である.②医療者がとるべき基本的な姿勢は?⇒患者の意思と価値観を尊重し,医療提供の目標設定の合意形成を行う.③認知障害の疑いがある場合の意思決定能力の把握とその対応は?⇒認知機能評価ツールを利用し,本人の残存能力を最大限活かして本人が意思決定できるように支援する.④平均余命が診療方針を検討するにあたって参考になるか?⇒大腸がんの累積生存期間が推定平均余命より明らかに短い場合は,積極的ながん治療を提案する.⑤治療前後で生活の質(QOL)を評価すべきか?⇒治療前後で評価尺度を用いて評価すべきである.⑥治療前評価に高齢者機能評価は有用か?⇒がん治療による有害事象リスク,死亡リスク,入院期間の延長といった予測が可能であり有用である.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.74.276