クッシング症候群・サブクリニカルクッシング症候群

• Published in: 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 31; no. 3; pp. 171 - 174
• Main Authors: 石戸谷, 滋人, 斎藤, 誠一, 荒井, 陽一, 宮里, 実
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会 2014
• Subjects: クッシング症候群; サブクリニカルクッシング症候群; 副腎インシデンタローマ
• ISSN: 2186-9545
• DOI: 10.11226/jaesjsts.31.3_171

副腎性クッシング症候群は，副腎皮質からの糖質コルチコイド（コルチゾール）が過剰分泌される病態で，特有の身体的特徴（中心性肥満，満月様顔貌，皮膚線条）を有し，糖尿病，高血圧，骨粗鬆症などの重篤な内科的疾患を併存する。サブクリニカルクッシング症候群はクッシング症候群特有の症状はないが，同様に糖尿病，高血圧などの併存疾患を有する。身体的特徴，内科的併存疾患，腹部CTで副腎インシデンタローマの存在でそれら疾患を疑う。ACTH，コルチゾール，尿中17-OHCSと17-KS測定でスクリーニングを行い，デキサメサゾン抑制試験によるコルチゾールの日内変動消失やその尿中代謝産物の高値で確定診断にいたる。悪性さえ除外できれば，腹腔鏡下副腎摘除術は，治療の第一選択である。