「フロン回収・破壊法」制定へと至るNPOの果たした役割
近年,NPOの社会的役割についての関心が高まっており,それは環境政策においても例外ではない。本稿では,「フロン回収・破壊法」の制定過程を詳細に分析し,その過程においてNPOが果たした役割について考察する。国際的にフロン対策が進み,各国では法律による規制が為されていた最中にあって,日本では回収や破壊というフロン対策は一向に講じられないまま,フロンは大気中に放出され続けていた。その原因の解明から,審議会の抱える問題点や,社会制度においてチェック機能が働かない構造的な要因が浮かび上がってきた。そうしたシステムの欠陥を抱える状況下で,NPOがいかなる活動展開を見せ,いかにしてシステムに切り込んでいった...
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          | Published in | 環境社会学研究 Vol. 8; pp. 136 - 150 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            環境社会学会
    
        31.10.2002
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 2434-0618 | 
| DOI | 10.24779/jpkankyo.8.0_136 | 
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| Summary: | 近年,NPOの社会的役割についての関心が高まっており,それは環境政策においても例外ではない。本稿では,「フロン回収・破壊法」の制定過程を詳細に分析し,その過程においてNPOが果たした役割について考察する。国際的にフロン対策が進み,各国では法律による規制が為されていた最中にあって,日本では回収や破壊というフロン対策は一向に講じられないまま,フロンは大気中に放出され続けていた。その原因の解明から,審議会の抱える問題点や,社会制度においてチェック機能が働かない構造的な要因が浮かび上がってきた。そうしたシステムの欠陥を抱える状況下で,NPOがいかなる活動展開を見せ,いかにしてシステムに切り込んでいったのかの解明が,本稿のねらいである。地球環境問題は身近な事柄として認識されにくいという性質を持つ。世界規模での被害の発生と,将来世代に渡る環境負荷の蓄積という問題に対して,従来とは違った形での「被害」の捉え方が必要である。 | 
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| ISSN: | 2434-0618 | 
| DOI: | 10.24779/jpkankyo.8.0_136 |