胸腰椎圧迫骨折および肋骨骨折に続発した脂肪塞栓症の一例

症例は80歳男性. 高さ2mの脚立から転落して受傷し当院に救急搬送された. 頭部単純CTでは外傷性変化なく, 胸腹部単純CTで胸腰椎圧迫骨折と多発肋骨骨折を認めたため入院とした. 来院3時間後より急激に意識および呼吸状態が悪化した. 胸部レントゲンで浸潤影, 頭部MRIでDWI高信号の散在, 血液内の脂肪滴を認めたことから, 脂肪塞栓症と診断した. 人工呼吸器管理やステロイド投与を含めた全身管理により状態は改善し, 第49病日に転院となった. 脂肪塞栓症の多くは長管骨や骨盤骨折に伴って報告される一方, まれではあるが脊椎圧迫骨折や非骨傷性の鈍的外傷でも生じる場合があり, 外傷診療の際は留意すべ...

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Published inJournal of the Japanese Association for the Surgery of Trauma Vol. 32; no. 3; pp. 403 - 406
Main Authors 澤田, 悠輔, 金子, 稔, 市川, 優美, 大嶋, 清宏, 中島, 潤, 萩原, 周一, 村田, 将人, 一色, 雄太, 青木, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外傷学会 20.07.2018
The Japanese Association for the Surgery of Trauma
Subjects
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ISSN1340-6264
2188-0190
DOI10.11382/jjast.32.403

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Summary:症例は80歳男性. 高さ2mの脚立から転落して受傷し当院に救急搬送された. 頭部単純CTでは外傷性変化なく, 胸腹部単純CTで胸腰椎圧迫骨折と多発肋骨骨折を認めたため入院とした. 来院3時間後より急激に意識および呼吸状態が悪化した. 胸部レントゲンで浸潤影, 頭部MRIでDWI高信号の散在, 血液内の脂肪滴を認めたことから, 脂肪塞栓症と診断した. 人工呼吸器管理やステロイド投与を含めた全身管理により状態は改善し, 第49病日に転院となった. 脂肪塞栓症の多くは長管骨や骨盤骨折に伴って報告される一方, まれではあるが脊椎圧迫骨折や非骨傷性の鈍的外傷でも生じる場合があり, 外傷診療の際は留意すべきである.
ISSN:1340-6264
2188-0190
DOI:10.11382/jjast.32.403