メディカルフィットネス利用経験者における性格特性と運動継続との関連

目的 メディカルフィットネス(以下MF)における個人特性に応じた効果的な運動継続支援方法を検討するため,MF利用経験者における個人の性格特性と運動継続との関連および運動継続と関連を認めた性格特性と運動継続のために重要視するものとの関連を明らかにすることを目的とした。方法 A病院付属のMFで開設以降に会員登録をした全成人283人を対象に,郵送法にて無記名自記式アンケート調査を実施した(回収率61.8%)。性格特性の尺度はBig Fiveの5特性を10項目で測定するTen Item Personality Inventoryの日本語版を使用し「外向性・協調性・勤勉性・神経症傾向・開放性」を評価した...

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Published in日本公衆衛生雑誌 Vol. 64; no. 11; pp. 664 - 671
Main Authors 関谷, 昭吉, 山下, 優子, 篠田, 邦彦, 梅田, 君枝, 古西, 勇, 関井, 愛紀子, 関, 奈緒, 田邊, 直仁, 太田, 玉紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本公衆衛生学会 2017
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ISSN0546-1766
2187-8986
DOI10.11236/jph.64.11_664

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Summary:目的 メディカルフィットネス(以下MF)における個人特性に応じた効果的な運動継続支援方法を検討するため,MF利用経験者における個人の性格特性と運動継続との関連および運動継続と関連を認めた性格特性と運動継続のために重要視するものとの関連を明らかにすることを目的とした。方法 A病院付属のMFで開設以降に会員登録をした全成人283人を対象に,郵送法にて無記名自記式アンケート調査を実施した(回収率61.8%)。性格特性の尺度はBig Fiveの5特性を10項目で測定するTen Item Personality Inventoryの日本語版を使用し「外向性・協調性・勤勉性・神経症傾向・開放性」を評価した。調査時点での運動習慣が「ある」と回答した者を自覚的運動継続「あり」群と定義した。結果 自覚的運動継続「」群は,男性では「勤勉性」が有意に低く(P=0.003),女性では「神経症傾向」が有意に高かった(P=0.018)。男性の「勤勉性」は運動継続のために重要視するものといずれの項目も関連を認めなかった。女性の「神経症傾向」は「目標を達成できる」と負の相関(r=−0.197, P=0.048)を認めた。結論 MFにおける運動継続支援には性差や性格を考慮することが重要と考えられた。勤勉性の低い男性の明らかなニーズは把握できなかったが,神経症傾向の高い女性は「目標を達成できる」を重要視していない傾向が認められたことから,目標達成に固執しない声かけや,指導方法が必要である可能性が示唆された。
ISSN:0546-1766
2187-8986
DOI:10.11236/jph.64.11_664