デジタル化に伴う宗教組織の情報発信,サービスおよび連携の拡大:禅宗寺院に関する事例調査

宗教組織は,現在,観光産業に限らず多くの企業における,不確実性への対処,高度化・複雑化するサービス提供,情報量が拡大するソーシャルメディアの影響など,持続可能性やウェルビーイングを議論する上での重要なパートナーになっている。しかしながら,デジタル化に伴い宗教組織がその活動をどのように拡大しているのかといった,その組織活動の拡大という観点での研究は不十分である。そこで,日本における先端的な活動をする禅宗寺院の関係者に対して,宗教組織におけるデジタル化に関するインタビュー調査と,その質的分析を実施した。結果として,デジタル化に伴う宗教組織の情報発信,サービス,および連携の拡大の観点が抽出できた。寺...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in経済論叢 Vol. 198; no. S; pp. S41 - S49
Main Author 増田, 央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 京都大学経済学会 28.02.2024
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0013-0273
2758-3988
DOI10.57475/keizaironso.198.S4

Cover

More Information
Summary:宗教組織は,現在,観光産業に限らず多くの企業における,不確実性への対処,高度化・複雑化するサービス提供,情報量が拡大するソーシャルメディアの影響など,持続可能性やウェルビーイングを議論する上での重要なパートナーになっている。しかしながら,デジタル化に伴い宗教組織がその活動をどのように拡大しているのかといった,その組織活動の拡大という観点での研究は不十分である。そこで,日本における先端的な活動をする禅宗寺院の関係者に対して,宗教組織におけるデジタル化に関するインタビュー調査と,その質的分析を実施した。結果として,デジタル化に伴う宗教組織の情報発信,サービス,および連携の拡大の観点が抽出できた。寺院におけるデジタル化により,宗教組織の活動の範囲も拡張しており,持続可能性やウェルビーイングの観点がより重視される環境の中での,企業経営の新たな付加価値構築の方向性が得られた。
ISSN:0013-0273
2758-3988
DOI:10.57475/keizaironso.198.S4