隠れマルコフモデルを用いた創造的心理状態の推定 および「響きあい」の検出

共創的協働に際し、個人間で共有された心象が形成され、他者と創造的心理状態が共鳴する「響きあい」の重要性は定性的に認識されているが定量的把握に乏しく、個人の創造性と「響きあい」の関係について定量的に明らかにした研究は萌芽段階にある。そこで本研究ではペア・個人での概念生成ワーク中のマルチモーダルな生理指標から隠れマルコフモデル(HMM)を用いて共創的ペアワーク時の創造的心理状態を推定する。加えて共創時特有の現象を含む同モデルで個人ワーク時の創造的心理状態を推定し、個人の創造性と「響きあい」の関係を考察する。その結果、HMMにより共創時創造的心理状態が一定程度推定しうることが示された。さらに他者との...

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Published in日本創造学会論文誌 Vol. 26; pp. 118 - 136
Main Authors 澤井, 賢一, 松前, あかね, 東海林, 慶祐
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本創造学会 2023
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ISSN1349-2454
2433-4588
DOI10.24578/japancreativity.26.0_118

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Summary:共創的協働に際し、個人間で共有された心象が形成され、他者と創造的心理状態が共鳴する「響きあい」の重要性は定性的に認識されているが定量的把握に乏しく、個人の創造性と「響きあい」の関係について定量的に明らかにした研究は萌芽段階にある。そこで本研究ではペア・個人での概念生成ワーク中のマルチモーダルな生理指標から隠れマルコフモデル(HMM)を用いて共創的ペアワーク時の創造的心理状態を推定する。加えて共創時特有の現象を含む同モデルで個人ワーク時の創造的心理状態を推定し、個人の創造性と「響きあい」の関係を考察する。その結果、HMMにより共創時創造的心理状態が一定程度推定しうることが示された。さらに他者との関わりを必要しない個人での心象形成に際して発現した「自己共鳴(心に響く時間)」もHMMにより同様に共鳴が検出され、個人レベルの認知としては他者との「響きあい」と同質であることが示唆された。
ISSN:1349-2454
2433-4588
DOI:10.24578/japancreativity.26.0_118