甲状腺手術後に発症した副甲状腺機能低下症の管理
甲状腺手術後の副甲状腺機能低下症における臨床的問題は低カルシウム血症とその関連事象である。副甲状腺ホルモン不足による副甲状腺機能低下症に対する治療は,活性型ビタミンD3製剤の投与が主体となる。血清カルシウム濃度は,ある程度の過換気状態でも低カルシウム血症による自覚症状が生じないレベル(補正カルシウム濃度8.0mg/dL程度)を維持する。尿路結石症や腎機能低下のリスクを抑えるために,随時尿のカルシウム(mg/dL)/クレアチニン(mg/dL)比を0.3以下にする。高カルシウム尿症を生じる場合や尿路結石の合併例には,サイアザイド系利尿薬の併用を検討する。副甲状腺機能低下症患者に副甲状腺ホルモン製剤...
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| Published in | 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 31; no. 1; pp. 2 - 4 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
2014
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 2186-9545 |
| DOI | 10.11226/jaesjsts.31.1_2 |
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| Summary: | 甲状腺手術後の副甲状腺機能低下症における臨床的問題は低カルシウム血症とその関連事象である。副甲状腺ホルモン不足による副甲状腺機能低下症に対する治療は,活性型ビタミンD3製剤の投与が主体となる。血清カルシウム濃度は,ある程度の過換気状態でも低カルシウム血症による自覚症状が生じないレベル(補正カルシウム濃度8.0mg/dL程度)を維持する。尿路結石症や腎機能低下のリスクを抑えるために,随時尿のカルシウム(mg/dL)/クレアチニン(mg/dL)比を0.3以下にする。高カルシウム尿症を生じる場合や尿路結石の合併例には,サイアザイド系利尿薬の併用を検討する。副甲状腺機能低下症患者に副甲状腺ホルモン製剤を併用した場合に,活性型ビタミンD3製剤の必要量の減少,および尿中カルシウム排泄の改善が報告されている。副甲状腺ホルモン不足による副甲状腺機能低下症を副甲状腺ホルモン製剤で治療することは今後の検討課題である。 |
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| ISSN: | 2186-9545 |
| DOI: | 10.11226/jaesjsts.31.1_2 |